この記事では、「華僑」と「華人」の違いを分かりやすく説明していきます。
似た印象の2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「華僑」とは?
「華僑」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「華僑」は「かきょう」と読みます。
「華僑」は、「中国国籍を保持したままで、海外に移住した中国人やその子孫」という意味があります。
世界中にたくさんの「華僑」がいて、特に東南アジアにたくさんいます。
横のつながりが強く、経済的影響を持つ存在となっています。
例えば、海外に移住した中国人やその子孫が作っている日本の街に「中華街」があります。
江戸時代が終わり、開国されたころから、徐々に「華僑」が住み始めて、現在はその子孫の人たちが中料理店などを営み、日本のいくつかの場所で街を作っています。
また、このような「華僑」の人たちのお店が集まっているビルは「華僑ビル」などと呼ばれることがあります。
さらに、中国で1978年から実施された改革開放政策を基準として、それ以前に渡航した人、その子孫は「老華僑」と呼ばれ、それ以降の人は「新華僑」と呼ばれています。
「華人」とは?
「華人」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「華人」は「かじん」と読みます。
「華人」は「中国系の海外居住者で、居住国の国籍を持つ人」という意味があります。
特に東南アジアにおいて強い影響力を持つ存在で、経済の実権を握っているとされています。
もともとは「華僑」として、東南アジアなどの国々に渡り、その国の国籍を持つようになると、「華人」と呼ばれることになります。
このような中国系の人々が作り出す社会は、「華人社会」などと呼ばれ、影響力の強いエリアは「華人圏」などと呼ばれることがあります。
さらに「華人」の中から芸術の分野で活躍する人は「華人アーティスト」などと呼ばれます。
「華僑」と「華人」の違い
「華僑」と「華人」の違いを、分かりやすく解説します。
「華僑」は、「中国国籍を保持したままで、海外に移住した中国人やその子孫」という意味があります。
一方で「華人」は「中国系の海外居住者で、居住国の国籍を持つ人」という意味があります。
どちらも、海外に渡った中国系の人々を指す言葉になります。
しかし、「華僑」は、中国国籍を持つ人や、その子孫を指す言葉なのに対して、「華人」は、渡航先の国の国籍を取得している人を指すという大きな意味の違いがあります。
もともとは、「華僑」だった人が、現地で国籍を取得することによって、「華人」となるケースが少なくありません。
このように、「華僑」と「華人」はとても似た存在ですが、「国籍」による違いがあるということが分かりました。
まとめ
「華僑」と「華人」の違いについて見てきました。
2つの言葉には、中国国籍の有無という違いがありました。
2つの言葉の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。