「○○される」と「○○させる」は似たような意味合いを連想させる紛らわしい言葉ですが、「○○される」と「○○させる」の意味・使い方の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、例文とその解釈も紹介しながら、「○○される」と「○○させる」の意味の違いを分かりやすく説明していきます。
「○○される」の意味や使い方
「○○される」の表現は、「他者(個人・集団)から何らかの行為をされてその作用(影響)を受ける受動形・受け身」を意味する表現です。
「○○される」の使い方は、「許される・泣かされる」のように「五段活用の動詞+助動詞れる」で使ったり、「馬鹿にされる・仲間にされる」のように「動詞されるの形」で使ったりする使い方があります。
「○○させる」の意味や使い方
「○○させる」の表現は、「他者(相手)に特定の行為をやらせる使役・指示」を意味する表現です。
「○○させる」の使い方は、「仕事をさせる・買い物をさせる」のように「動詞させる」の形で使うことができます。
また「消滅させる・殺させる・落とさせる」のように「動詞+助動詞せる」の形で使われることもあります。
「○○される」と「○○させる」の違い
「○○される」と「○○させる」の違いを、分かりやすく解説します。
「○○される」という表現は、「他者(個人・集団)から何らかの行為をされることを示す受動形(受け身)の表現」を意味しています。
「脅される」のように「動詞の一部+助動詞れるの形」と「~にされる」の「動詞されるの形」があります。
例えば、「罪を許される」といえば「公権力・相手から自分の罪を許してもらえること」を意味しています。
「馬鹿にされる」となると「他者から自分のことを軽く見られて中傷されること」を示すことになります。
それに対して、「○○させる」という表現は、「他者(個人・集団)に何らかの行為をやらせることを示す使役(指示・命令)の表現」を意味しているという違いがあります。
例えば、「仕事をさせる」といえば「雇用者・上司などが従業員・部下に仕事をやらせる使役の意味」を示すことになります。
「○○される」は「受け身」に意味の重点があり、「○○させる」は「使役」に意味の重点があるのです。
「○○される」を使った例文と意味を解釈
「○○される」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「彼が激怒して近寄ってくる姿を見て、一瞬、殺されるのかと思いました」
この「○○される」を使った例文は、「○○される」の表現を、「彼から殺す行為を受けるという受け身の意味」で使っています。
「○○させる」を使った例文と意味を解釈
「○○させる」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「生徒たちに、放課後に花壇に植えたチューリップの世話をさせていました」
この「○○させる」を使った例文は、「○○させる」の表現を、「生徒たちにチューリップの世話をやらせるという使役の意味」で使っています。
まとめ
「○○される」と「○○させる」の意味の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「○○される」は、「他者から何らかの行為をされて作用を受ける受動形・受け身」を意味しています。
それに対して、「○○させる」は「他者に何らかの行為をやらせる使役・指示」を意味しています。
「○○される」と「○○させる」の意味の違いを調べたい時には、この記事の内容を確認してみてください。