この記事では、「加虐」と「嗜虐」の違いを分かりやすく説明していきます。
「加虐」とは?
「加虐」とは自分の意思から起きた行動で、相手に何らかの手段で苦痛を与えることです。
苦痛を与えるのが一度きりでも、繰り返し苦痛を与えていても、「加虐」になります。
どういった目的で苦痛を与えているかによって、使える場面が限定されることもありません。
嫌なことをされたからその仕返しがしたい、相手が隠している情報を引き出したい、苦痛を与える行為や苦痛を感じている人を見るのが好きだからなど、どのような理由でも苦痛を与えたことは「加虐」です。
またどのような苦痛を与えたかも関係なく、何かをわざとぶつける、体に傷をつけるなど肉体的な痛みを与えることもあれば、暴言を吐く、徹底的に無視するなどの精神的な苦痛を与えることもあります。
苦痛を与える、所謂虐めるようなことであれば、どのような場面でもフレキシブルに使える言葉が「加虐」です。
「嗜虐」とは?
「嗜虐」とは人や動物など他者をいたぶり苦痛を与えることを楽しむ嗜好です。
「加虐」を行うことが好きな趣味とも言えるでしょう。
相手を傷つける行為が好き、それによって傷つき苦しんでいる姿を見るのが好き、そういった行為によって相手より上の立場にいると実感できるのが好きなどが、「嗜虐」を好む理由として挙げられます。
そういった趣味や性癖を持っているということを表す言葉であり、そういった行為自体は指しませんし、実際にそういった行為を今したか、したことがあるかどうかは「嗜虐」に関係ありません。
また苦痛を与えることを楽しむ、好むにしても、それが肉体的なものが好きなのか、精神的なものが好きなのかも無関係です。
「加虐」と「嗜虐」の違い
「加虐」と「嗜虐」の違いを、分かりやすく解説します。
相手に苦痛を与えることが「加虐」で、相手に苦痛を与えることを好む嗜好が「嗜虐」です。
「加虐」では実際に苦痛を与えていますが、「嗜虐」は実際に苦痛を与えた経験があるとは限りません。
「加虐」はどのような理由で苦痛を与えているかは関係ありませんが、「嗜虐」で実際に苦痛を与えている場合、その理由は苦痛を与えることを楽しむためになります。
また「加虐」したいという心から行動した場合、そうしたいと思った理由次第で楽しかったり良い気分になるとは限りませんが、「嗜虐」したいという心から行動を起こした場合、行動として相手に苦痛を与えたことで楽しいかったり良い気分になるでしょう。
まとめ
相手に苦痛を与えることか、それとも苦痛を与えることを楽しむのかなので、似ているようで何を指しているのかは全然違う言葉が「加虐」と「嗜虐」です。
あくまでも「加虐」は行為であり、「嗜虐」はそれを楽しむ趣味嗜好なので、どちらが使われているかを見れば何を指しているかもすぐわかるはずですし、使い分けも容易にできるでしょう。