「弁償」と「弁済」は同じような意味合いを連想させる区別しづらい二つの言葉ですが、「弁償」と「弁済」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「弁償」と「弁済」の意味の違いを分かりやすく説明していきます。
「弁償」の意味や使い方
「弁償(べんしょう)」という表現は、「相手に与えた損害・被害を主に金品で償うこと」を意味しています。
「弁償」には、「壊してしまったものや奪ったものの代金(同等の価値があるもの)を相手に返すこと、渡すこと」の意味があります。
「弁償」の使い方は「友達のスマホを落として割ったので弁償しました」のように、「相手に与えた損害を金品で償う場合」に使うことができます。
「弁済」の意味や使い方
「弁済(べんさい)」という言葉は、「民法上の債務(借金)を何らかの理由・方法で無くすこと」や「返済義務を消滅させること・借金を払い終えること」の意味を持っています。
「弁済」の使い方は「弁済能力があるかどうか審査をします」のように、「債務を何らかの方法で消滅させること(借金の返済を済ませること)」の意味合いで使用することが可能です。
「弁償」と「弁済」の違い
「弁償」と「弁済」の意味の違いを、分かりやすく説明していきます。
「弁償」も「弁済」も「元々あった義務・負債を消滅させること」の意味で共通していますが、「弁償」には「弁済」のような「民法上の債務の支払い義務を消滅させること」という意味合いはありません。
「弁償」というのは「不注意・故意で壊したものや奪ったものに相当する代金(同等の価値を持つもの)を、その所有者に渡す(返す)こと」を意味する言葉で、民法上の債務に関連する意味はないという違いを指摘できます。
逆に「弁済」は「民法上の債務・借金を何らかの手段で無くすこと」を意味していて、「弁償」のように「相手に与えた物的・精神的な損害を金品で償う」といった意味合いがない違いがあるのです。
「弁償」を使った例文と意味を解釈
「弁償」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「相手の車に後ろから追突したため、その車の壊れた部分の修理代を弁償しました」
この「弁償」を使った例文は、「弁償」の表現を、「自分が後ろからぶつけて壊した相手の車の修理代を渡しました(返しました)」という意味合いで使用しています。
「弁済」を使った例文と意味を解釈
「弁済」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「10年以上貯まり続けていた債務を何とか弁済しました」
この「弁済」を使った例文は、「弁済」の表現を、「債務(借金)を何とか払い終わりました・債務の支払い義務を何とか消滅させました」の意味で使っています。
まとめ
「弁償」と「弁済」の意味の違いを詳細に説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「弁償」という表現は、「壊してしまったものや奪ったものの代金(同等の価値があるもの)を返すこと」を意味しています。
それに対して、「弁済」というのは「民法上の債務(借金)を何らかの理由・手段で無くすこと、返済義務を消滅させること」の意味を持っています。
「弁償」と「弁済」の意味の違いを調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。