この記事では、「平均寿命」と「平均余命」の違いを分かりやすく説明していきます。
「平均寿命」の意味や使い方
「平均寿命」とは、その生物の平均的な存命年数のことです。
人間以外に動物に対して用いることもあり、例えば、馬の「平均寿命」は約20年で、ワニにはこれが約70年にもなる種類も存在しています。
以下、人間のそれとして説明しますが、日本人の「平均寿命」は、2019年に発表された最新の統計では、男性が81.25歳、女性は87.32歳となっており、男性は世界の中で第3位、女性は第2位という長寿国として世界でも有名です。
尚、この「平均寿命」とは、実際に亡くなった人の平均年齢という訳ではなく、発表時点で生まれた人が、平均して何歳まで生きるかといった「予測」になります。
「平均余命」の意味や使い方
「平均余命」とは、発表の時点でその年齢の人が、その先何年存命していられるかという「予測」です。
よって、0歳時のそれは、「平均寿命」と一致します。
先と同じ、2019年時点での厚生労働省から発表されたデータによると、20歳の男性が61.61歳、女性は67.63歳となっており、50歳だと、男性が32.74歳、女性は38.36歳となっています。
ここで注目なのは、年齢とそれを足しても「平均寿命」とは一致しないという点です。
この理由は、その年齢ならではの、発表時点での社会環境などが絡んでいる為で、男性で「平均寿命」を超えている85歳の場合でも、6.35歳というデータが発表されています。
「平均寿命」と「平均余命」の違い
「平均寿命」と「平均余命」の違いを、分かりやすく解説します。
「平均寿命」は、発表時点で生まれた人が何歳まで存命するかという予測になり、「平均余命」の方は、同じく発表時点で一定の年齢の人が、あと何年存命していられるかを表しています。
前述のように、「平均寿命」は、0歳時の「平均余命」のことになります。
よって、「平均余命」は、「平均寿命」も含んだ表現ができる言葉だと考えて構いません。
「平均寿命」を使った例文と意味を解釈
「平均寿命」を使った例文と、その意味の解釈になります。
人間以外に使われる場合には、その生物がどれくらい生きるのかという目安だと考えていいでしょう。
「平均寿命には、事故で死亡する可能性も含まれている」
この言葉による予測には、その可能性も含んでいます。
死因は特に関係なく、その時点で生まれた人が存命していられると考えられる年数が「平均寿命」になります。
「平均余命」を使った例文と意味を解釈
こちらは「平均余命」を使った例文、その意味の解釈になります。
社会環境が変化することで、これも変化していきます。
「平均余命からすると、あと50年は生きられる計算だ」
「平均余命」は、あくまでその時点での予測の為、その先に社会環境が大きく変化することがあると、こちらも大きく変わってしまう可能性があります。
例として、世界的な食糧難や飢饉、未知の病原菌の世界的な大流行などがこの先に発生してしまった場合には、現在発表されているものより短くなることになります。
まとめ
「平均寿命」と「平均余命」は、このように違う言葉です。
「平均寿命」が、実際の平均から単純に算出している訳ではなく、それも絡めた「予測」だという点は、意外と知られていないかも知れません。