この記事では、「喰う」と「食う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「喰う」とは?
「喰う」には2つの意味があります。
ひとつは、食べものを口にして飲み込むことです。
食べものを口の中に入れるだけでなく、それを飲み込むことまで含まれます。
人間は生きていくために外のものからエネルギーを得ています。
米、野菜、魚、肉などを口にして噛んで飲み込んで、体の中で消化されてエネルギーとしています。
この言葉は消化する過程までは意味に含んでおらず、口に含んで噛んで飲み込むことを指しています。
もう一つの意味は、他から好ましくない行為を受けるです。
ある人の家を訪れたとします。
この人と会いたかったので訪れたのですが、玄関先で追い返されてしまいました。
会いたいのに会わせてもらえず、玄関でさっさと追い返されるのは、この行為を受け取った方としては好ましくない行為といえます。
「喰う」の使い方
食べものを口にして飲み込むことの意味では、この漢字はあまり使用されません。
「喰」は常用漢字表には載っていない漢字です。
「食う」とは?
「食う」の主な意味は6つです。
1つめは、食べものを口にして噛んで飲み込むことです。
普段食事をするときの行為がこれにあてはまります。
2つめは、虫などが物をかじって傷つけたり、人を指したりすることです。
蚊は人の血液を吸います。
そのときに針のような部分を人間の皮膚に突き刺します。
こういった虫などの行為を指しています。
3つめは、スポーツなどで強い相手を負けさせることです。
相手が負ければ自分が勝つことになりますが、この言葉は自分が勝つことよりも、相手を負けさせることに意味の重きをおいています。
4つめは生活をするです。
生命を維持できるような暮らしのことを指しています。
5つめは、金銭や時間がかかるです。
ある物事をするのに、非常に時間がかかったとします。
このことを「時間が食う」といいます。
6つめは、他から好ましくない行為を受けるです。
ある人が他の人から小言をいわれたとします。
小言を聞いていても楽しくないので、聞かされた方としては好ましくない行為を受けたといえます。
「食う」の使い方
食べものを口にして噛んで飲み込む意味で使うことが多いです。
その他の意味もあり、さまざまな場面で使用されています。
慣用句としても使用をします。
「喰う」と「食う」の違い
食べものを口にして噛んで飲み込むという意味が同じです。
「喰」は常用漢字表にない漢字、「食」は常用漢字です。
「喰う」の例文
・『ただで喰う』
・『とばっちりを喰う』
・『締め出しを喰う』
・『いつまでも喰う』
「食う」の例文
・『飯を食う』
・『蚊が食う』
・『食うのに十分なだけある』
・『何にでもマヨネーズをかけて食う』
まとめ
食べものを口にして噛んで飲み込むという意味が同じです。
一方は常用漢字表にはない漢字、もう一方は常用漢字である点に違いがあります。