「近江牛」と「飛騨牛」はどちらもブランド牛の一種ですが、各々の産地や特徴、適した調理方法などが異なります。
この記事では、「近江牛」と「飛騨牛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「近江牛」とは?
「近江牛」は「おうみぎゅう」と読み、「滋賀県内において最も長く飼育された黒毛和牛」のことを指します。
日本で最も古いブランド牛として有名で、その歴史は江戸時代までさかのぼり、彦根藩から徳川家に献上されていたことも分っています。
全体的に細密なサシが入っており、肉質がきめ細やかで脂身が甘いのが特徴です。
「飛騨牛」とは?
「飛騨牛」は「ひだぎゅう」と読み、「岐阜県において飼育された期間が最も多い黒毛和牛のうち一定の基準をクリアしたもの」のことを指します。
ブランド牛として確立されたのは1985年以降で、鮮やかな桜色の肉質と網状の霜降りが特徴的です。
なお、「飛騨牛」の呼称には二通りあり、食肉加工前は「ひだうし」と呼ばれ、食肉加工後は「ひだぎゅう」と呼ばれています。
「近江牛」と「飛騨牛」の違い
「近江牛」と「飛騨牛」は双方とも国内で有名なブランド牛ですが、産地や特徴、適した料理などに違いがあります。
「近江牛」は「滋賀県内において最も長い期間飼育された黒毛和牛」を指し、江戸時代までさかのぼれる歴史の古さを誇るほか、三重県の松阪牛、神戸の神戸ビーフと並ぶ「日本三大和牛」のひとつでもあります。
サシが細やかで消えにくい点や、脂身が甘く独特の心地よい粘りが感じられる点が特徴的です。
オレイン酸が豊富に含まれていることから特に口どけが良いと評されており、「ステーキ」や「すき焼き」、「しゃぶしゃぶ」といった和食メニューに加え、バターや生クリームを用いたフランス料理などにも適しています。
一方、「飛騨牛」は「岐阜県にて最も長く飼育された黒毛和牛のうち一定の基準をクリアしたもの」を指し、具体的には「飛騨牛銘柄推進協議会の登録制度において認定及び登録された生産者により14ヶ月以上肥育された黒毛和牛であること」や「(公社)日本食肉格付協会による格付で肉質等級が3級、4級、5級と認定されたもの」を示します。
ブランド牛として確立されたのは1985年以降ですが、岐阜県内各地の地名が付けられた和牛を統一する流れの中で生まれたという歴史があります。
桜を連想するような鮮やかなピンク色で、網状の細密な霜降りと芳醇な旨みがあるのが特徴的です。
筋肉繊維が細やかなので柔らかく、塩コショウのみのシンプルな味付けで調理したステーキや、軽く炙った焼き肉といったメニューに適しています。
そのほか、シチューなどの煮込み料理や、岐阜県の郷土料理である朴葉味噌焼きなどにも向いています。
まとめ
「近江牛」と「飛騨牛」は双方とも黒毛和牛の一種ですが、それぞれの産地や歴史、肉質や味わい、適した調理方法などに違いがあることが分かります。
ぜひ参考にして両者の違いを理解し、料理や地域の特産品に関する知識を深めてください。