「よさこい」と「ソーラン節」の違いとは?分かりやすく解釈

「よさこい」と「ソーラン節」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「よさこい」「ソーラン節」【そーらんぶし】の意味や例文、違いを分かりやすく説明していきます。

「よさこい」とは?

「よさこい」とは?

高知県で使われている言葉である「よさこい」は、「夜にいらっしゃい」が変化したものであり、9世紀末に誕生した言葉です。

古くから使われている夜分を「夜さり」と言い、それが土佐弁で「よさこい」となりました。

その後、民謡の「よさこい節」が誕生し、毎年8月9日の前夜祭として8月10日と11日は本祭で、8月12日は4日間にわたって前夜祭が行われています。

この4日間では約4,000発もの色とりどりの花火が打ち上げられ、多くの人を魅了します。

鳴子を持ちながら元気よく若い男女が大勢で踊るさまは圧倒的です。

「そーらん節」とは?

「そーらん節」とは?

北海道の民謡を取り入れた「そーらん節」は、日本海沿岸の積丹半島で盛んに行われていたニシン漁をおこなう猟師のさまを歌詞にしたものです。

その昔、北海道では多くのニシンが産卵のためにどっと集まり、卵を産み付けた後、雄が精子を出すと真っ白に海が染まり、多くの稚魚が誕生し、成長したために多く獲れました。

その魚を求めて道内各地から「ヤン衆」という猟師が一攫千金狙って押し寄せ、寝泊りしながら金を稼ぎました。

ワタから油まで捨てるところがないニシンを漁のそのときに漁師が口ずさんだ沖揚げ音頭が変化して「ソーラン、ソーラン」と唄ったことで「ソーラン節」が誕生しました。

「よさこい」と「そーらん節」の違い

「よさこい」と「そーらん節」の違い

「よさこい」「そーらん節」の違いを、分かりやすく解説します。

高知県で使われている言葉の「よさこい」には「今夜」という意味があり、夜間になってから開催される祭りを指す言葉になります。

その代表的なものが「よさこい祭り」であり、本番では市内のあらゆる場所で200チームもの踊り子が舞台の上で勢いよく踊る「よさこい祭り」が始まりました。

歴史ある徳島の阿波踊りに対抗できるものとして高知県民が模索していたとき商工会議所の青年団が一丸となり、祭りを開き、そこに古くから伝わる民謡を使い、多くの人が体で表現する「よさこい祭り」が誕生しました。

約2万人もの踊り子が各グループになって踊り、多くの人を魅了します。

一方の「そーらん節」は北海道で盛んに行われていたニシン漁のときに唄われていた音頭が独自に変化した「そーらん」を取り入れた民謡という違いがあります。

「よさこい」の例文

「よさこい」の例文

・『ロックやフラメンコなど様々な音楽を取り入れたよさこいが登場している』
・『よさこいの作曲家である武政栄策氏は祭りの踊りにも大きく貢献している』
祭りの見所は派手な化粧や着物を着るところですが、最近は世界の音楽を取り入れたよさこいも注目されています。

祭りで使われている「よさこい鳴子踊り」を作った作曲家の武政氏は鳥が作物を狙うとき追い払いたい農家が農機具で払おうとする手振りを参考にして、踊りに取り入れました。

「そーらん節」の例文

「そーらん節」の例文

・『そーらん節を唄いながらニシンを獲った出稼ぎ漁師の中には鰊御殿を建てた者までいた』
・『船の上で漁師がそーらん節を唄いながら獲ったニシンは干物にしたり、搾りカスは鰊粕にして食べる』
道内から稼ぎにくる漁師のために鰊御殿を建てて、1人あたり一畳貸し出し、そこで寝泊りさせました。

この御殿には2階もあり、40人から50人ほど寝泊りしていました。

そんな獲ったニシンは干物にしますが、鰊粕はワタ栽培やミカン作りの肥料として珍重される高級品でした。

まとめ

まとめ

どちらも歴史ある日本を象徴するものであり、後世に残したい貴重な地域に根ざした民謡です。

高知県民の願いと力がうかがい知れる「よさこい」は人々を熱狂させて虜にしますし、「そーらん節」は漁師の熱い魂とやる気を表した歌詞が印象的であると覚えておくといいでしょう。