この記事では、「餌食」と「獲物」の違いを分かりやすく説明していきます。
「餌食」とは?
「餌食」には3つの意味があります。
1つめは、動物の食糧とされる食われる生命を持っている存在です。
動物には、肉食動物、草食動物、雑食動物がいます。
肉食動物は草食動物を食べて生きています。
草食動物は、肉食動物の食糧となるために食べられてしまう、命ある存在です。
たとえば、野生のライオンはシマウマを仕留めて食べます。
このときのシマウマが「餌食」が意味するものです。
2つめの意味は、野心や欲望のために、生命・名誉・利益などを投げ捨てなければならないものです。
ある犯罪者は、Aさんから金銭を奪おうと考えました。
息子を装って電話をして、銀行口座に金銭を振り込むように指示をしました。
このとき、Aさんは犯罪者の欲望のために、金銭を投げ捨てなければならないことになっています。
これを「Aさんを餌食にする」と表現します。
3つめは食物です。
食べものや飲み物のことを指します。
「餌食」の使い方
動物について使うときには、食べられてしまう命あるものという意味で使用をします。
野心や欲望のために、生命や名誉などを投げ捨てなければならないものという意味では、人について使うことが多いです。
「獲物」とは?
「獲物」には2つの意味があります。
ひとつは、漁労や狩猟でとったものです。
漁労とは、魚介類や海藻など水産物をとることです。
マグロ漁やカツオ漁などがこれにあたります。
狩猟は、山野の獣や鳥をわなや銃などを用いて捕えることです。
イノシシ猟などがこれにあたります。
こういったものでとったものが「獲物」です。
イノシシ猟の場合だと、イノシシがこれにあたります。
もう一つの意味は、他人から無理に取って自分のものにしたものです。
喜んで差し出されるものではなく、無理やりとって手に入れたものを意味します。
プレゼントではありません。
「獲物」の使い方
漁労や狩猟でとったものという意味で使われることが多いです。
家畜として飼育されている牛・豚・鶏などは、これにあたりません。
狩猟でとったものではないからです。
狩猟でとれるものには、イノシシ、ノウサギ、ニホンジカ、タヌキなどがあります。
「餌食」と「獲物」の違い
「餌食」は犠牲になるものです。
動物についてだと、命を奪われて食べられてしまうものを意味します。
「獲物」は漁労や狩猟でとったものです。
犠牲という意味合いは含まれていません。
また、狩猟でとったものは食べられるとは限らず、駆除のためや毛皮を得るためなどの目的もあります。
「餌食」の例文
・『餌食にされる』
・『実験の餌食になる』
・『ライオンの餌食』
・『記者の格好の餌食』
「獲物」の例文
・『獲物を狙う』
・『獲物を捕らえようとする目つき』
・『獲物に狙いを定める』
・『獲物を仕留める』
まとめ
「餌食」は犠牲になるもの、「獲物」は漁労や狩猟でとったもので、意味合いが異なります。