日本語には、同じ発音をする同音異義語という言葉がたくさんあります。
その中でも、「掛かる」と「架かる」は「かかる」という読み方をしますが、これらの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか?
今回は、「掛かる」と「架かる」の2つの言葉について見ていくことにします。
「掛かる」の意味や使い方
「掛かる」とは「ある所に支え止められる」、「曲がった物や尖っている物、刃物、仕組んだ物に捉えられる」、「あるものなどを頼って目当てにする」、「(カバーなど)全体的に覆いかぶさる」などの意味があります。
「掛かる」には、このように様々な解釈があることから、その使い方も多様です。
「壁に美しい絵が掛かっている」、「大きな看板が掛かった店舗」、「玄関に大きな表札が掛かっている」、「ガスコンロにやかんが掛かっている」というような使い方ができます。
「架かる」の意味や使い方
「架かる」は「両端を支えとして、またぐように渡される」、「かけ渡される」という意味になり、「橋」が川をかけ渡されるような場合に「架かる」が使われます。
「掛かる」と「架かる」の違い
「掛かる」は、様々な意味がありますが、「かかる」という言葉が使われている場合の大半が「掛かる」に当てはまります。
しかし、「架かる」は「かけ渡す」という意味になりますので、橋について「渡す」という場面で使われることになります。
「掛かる」を使った例文と意味を解釈
色々な意味を持つ「掛かる」なので、その使い方も色々とありますが、1つ例文を挙げてみると、「車のエンジンが掛かると大きな音が鳴るが、ハイブリッド車はとても小さな音で始動する」というような使い方になります。
エンジン音も「掛かる」が使われますが、最近の車はハイブリッド車が増えてきたことで、「掛かる」音がかなり小さく静かになっています。
歩行者が車の音に気付かないくらいです。
「架かる」を使った例文と意味を解釈
「子どもの頃の通学路の途中の川に架かっていた真っ赤な橋が、今では立派なものに変わっていた」
川にかけ渡された橋を「架かる」で表現することは、前項でも触れたことですが、このような使い方になるでしょう。
幼い頃に通った懐かしい思い出も、新しい橋が「架かる」ことで、その思いは複雑なものに変化しているかもしれません。
まとめ
「掛かる」と「架かる」の違いを見てきましたが、色々な使い方ができる「掛かる」と、橋が「架かる」というような言葉になることが分かりました。
「かかる」のほとんどが「掛かる」で当てはまるので、「架かる」は限られた言葉として理解しておくことで、その使い方を大きく逸脱することはないでしょう。
しかし、日本語にはこのように同じ読み方をしながらも、全く意味や使い方が異なるものがたくさんありますので、1つひとつ言葉の内容を正確に把握しておくことが必要です。