この記事では、「押し麦」と「もち麦」の違いを分かりやすく説明していきます。
「押し麦」とは?

大麦の外皮を取り除き、真ん中にある黒い線は残した状態にしたものを、蒸して押しつぶしたものです。
大麦はイネ科の一年草です。
うるち性ともち性があり、「押し麦」はうるち性のものが使用される場合が多いです。
大麦を粒のまま吸水させようとしても、あまり吸水がよくありません。
一度蒸してから押しつぶすことで調理しやすくなります。
食物繊維を多く含む外皮部分は取り除かれていますが、この食品には食物繊維が多く含まれています。
食物繊維には、水溶性と不溶性があり、この食品は水溶性を多く含みます。
粒の中ほどに多く含まれているため、外皮を削っても食物繊維が残っています。
水溶性食物繊維といってもいくつか種類があり、この食品はβグルカンを多く含んでいます。
大麦のβグルカンには、腸をすっきりさせる、血糖値の上昇を抑えるなどの働きが期待できます。
炊飯器で米と一緒に炊くことができます。
炊くときには、普通に米を炊くときよりも水を多めにします。
加えろ大麦の2倍の量の水をプラスすることが目安です。
大麦を50g加えるなら、水を100ml多くするということです。
吸水時間をとらずに炊くこともできますが、やや硬くなってしまいます。
吸水時間を少なくとも30分ほどとると、ふっくらとした炊きあがりになります。
「押し麦」の使い方
大麦の外皮を取り除いて、蒸してつぶしたものを指して使用する言葉です。
「もち麦」とは?

大麦のもち性品種です。
大麦にはもち性とうるち性があります。
この2つの違いは、含有しているアミロペクチンの量です。
もち性の方がアミロペクチンを多く含んでおり、炊いものはもっちりとした食感があります。
冷えてももちもち感が続きます。
普通の炊飯器で炊くことができます。
白米に混ぜる場合、加える大麦の分、水を多めにします。
大麦の重さの2倍の量の水をプラスすることが目安です。
ご飯に混ぜて食べるだけでなく、さまざまな料理に活用することができます。
たとえば、ゆでたものをコロッケ、スープ、サラダ、キッシュなどに加える、「もち麦」入りのおはぎを作るなどです。
「もち麦」の使い方
もち性の大麦を指して使用する言葉です。
「押し麦」と「もち麦」の違い

どちらも大麦のことです。
加工方法を指しているのか、性質を指しているのかという点に違いがあります。
前者は加工方法を指しており、蒸してつぶしたものをいいます。
後者は性質を指しており、もち性のものをいいます。
「押し麦」の例文

・『押し麦をご飯に加える』
・『押し麦ばかり食べている』
・『押し麦が安く売られていた』
・『押し麦入りのおにぎり』
「もち麦」の例文

・『もち麦の食感が好き』
・『もち麦をたっぷり食べる』
・『もち麦の入ったスープ』
・『もち麦入りの餃子』
まとめ

大麦である点が同じですが、一方は加工方法を指しており、もう一方は性質を指している点が異なります。