みなさんは「世直し一揆」と「打ちこわし」という動きがどのようなことを意味しているかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「世直し一揆」と「打こわし」の違いを分かりやすく説明していきます。
「世直し一揆」とは?
「世直し一揆」は「よなおしいっき」という読み方になります。
この「世直し一揆」とは、「幕末から明治初め頃に世直しを唱えていた農民たちが起こした一揆の総称のこと」を指しています。
当時、貧しい農民や小作人層が中心となって、悪どいとされてきた地主や高利貸しなどに対して、小作地・質地の返還や商人・高利貸しの特権を排除することや村役の罷免などを要求して打ちこわしを行った歴史があるのです。
「打ちこわし」とは?
「打ちこわし」は「うちこわし」と呼ぶのですが、江戸時代の民衆的な運動の1つであり、「不正を働いたとされていた者の家屋などを破壊する活動のこと」を意味しています。
「世直し一揆」と「打ちこわし」の違い
では、ここで「世直し一揆」と「打ちこわし」の違いの違いを見ていくことにいたしましょう。
どのような相違点があるのでしょうか?前述のように「世直し一揆」は「幕末から明治の初め頃に世直しを標榜した農民が一揆を起こした総称的な活動のこと」を意味しています。
貧しい農民・小作人たちが、地主・高利貸しに対して、小作地・質地の返還から商人・高利貸しの特権排除や村役罷免などを求めて打ちこわしを行ったのです。
一方の「打ちこわし」は、江戸時代の民衆運動の形態の中で不正を行っていた者の家屋などを破壊する行為のこと」です。
このことから「世直し一揆」は「打ちこわし」の1つではあるものの、起こった時期が異なっているのです。
「世直し一揆」の例文
では、ここで「世直し一揆」の例文を見ていくことにいたしましょう。
具体的には以下のような文が挙げられます。
・『世直し一揆が起こった時代は時の政府が幕府から明治政府に移ったばかりで、政情が、安定していたわけではなかったのだ』
・『世直し一揆を起こした農民の代表者は一揆を起こした責任を取らされて、斬首になったのだろうか?』
「一揆」と聞くとどうしても、その首謀者が処罰されるイメージがあるのですが、「世直し一揆」ではどうだったのでしょうか?
「打ちこわし」の例文
続いて「打ちこわし」の使い方について見ていくことにいたしましょう。
どのような文章になるのでしょうか?
・『江戸時代に起きた打ちこわしは、事情はともあれ、起こした中心人物は間違いなく処刑されているはずだ』
・『打ちこわしは悪どい役人や庄屋に対する力による反抗活動だが、今の日本ではそのようなことは起こることはない』
まとめ
ここまで「世直し一揆」と「打ちこわし」の意味や違いを説明してきました。
こららの言葉は歴史の中で学んできたことですが、現代社会において起こることはありません。
しかし、何故このようなことが起きたのか、社会的背景を知ると今の社会の世相も見えてくるのかもしれません。