資金の種類を指す言葉として「生活資金」と「余裕資金」があります。
このふたつの資金は具体的に何を指すのでしょうか。
今回は、「生活資金」と「余裕資金」の違いについて解説します。
「生活資金」とは?
「生活資金」とは、「安定した生活を送るのに必要な資金」を意味する言葉です。
社会の一員として日々の営みを送ることを「生活」といいます。
「生活資金」とは「日々の営みを送るのにかかるお金」を指す言葉で一般的には「生きていくために必要なお金」を指します。
「生活資金」は狭義では食費や家賃、水道光熱費など「生きていくために絶対に減らすことのできないお金」ですが、広義では「健康で文化的な最低限度の生活を送るのに必要なお金」を指します。
具体的には被服費や教育費など「平均的な家庭であれば当然かかるであろう贅沢とはいえない範囲のお金」を含めて「生活資金」と表現します。
「生活資金」は所得や生活環境によって異なるため絶対的な基準や定義はありません。
家賃や物価の高い都心で暮らしていれば高額になりますが、田舎で自給自足の暮らしを送っていれば家賃も安く食費も抑えられるので「生活資金」も低くなります。
食にお金をかけたり住む場所にこだわったりなど人により支出のバランスも異なるため同じ地域にクラスに多様な家族構成の世帯同士を比較しても「生活資金」がいくらになるのかは違いが生じます。
「生活資金」の使い方
・『給料を受け取ったらまず生活資金を分けておく』
・『不況の影響で生活資金を見なおすことにした』
・『家賃が下がったので生活資金にも余裕が生まれた』
・『生活資金を削ってまで趣味にお金をつぎ込むべきではない』
「余裕資金」とは?
「余裕資金」とは、「収入のうち生活に必要な支出を除いたお金」を意味する言葉です。
「余裕資金」が指すのは「今すぐ必要ではない自由に使えるお金」です。
「仮にそのお金がなかったとしても生きていくことが可能で当面の生活に支障が生じないようなお金」が「余裕資金」であり文字通り「手持ち資金のうち余裕として持っているお金」を意味します。
「余裕資金」は自由に使えるお金ではありますが「万が一のときに使うお金」という冗長性を持つ資金でもあります。
急な病気で入院費用が必要になったり事故で修理費用を支払うことになったりなど、予定外の出費を迫られたときに資金源として使われるのが「余裕資金」なので自由に使える資金であっても使いきってしまうのは危険です。
「余裕資金」の使い道としては万が一に備える以外に「貯蓄」や「投資」に回されるのが一般的です。
多くの人は必要な支出を差し引いて残った「余裕資金」を貯蓄しておき必要に応じて支出しています。
積極的に利殖に励む人は株式や債券などの投資に回しますが全ての「余裕資金」を投資に回してしまうと急な出費に対応できなくなってしまいます。
「余裕資金」の使い方
・『収入が増えたので余裕資金も増えた』
・『余裕資金を株式投資に回す』
・『車の修理費用は余裕資金から出すことにした』
・『余裕資金が少ないと気持ちの余裕も少なくなる』
「生活資金」と「余裕資金」の違い
「生活資金」が生きていくために必要なお金を指すのに対し「余裕資金」は生きていくために絶対に必要とはいえないお金を指します。
無いと生活が成り立たないのが「生活資金」、なくても当面は困らないのが「余裕資金」という違いで区別されます。
まとめ
管理する金銭のうち「生活資金」と「余裕資金」がどの程度の割合なのかを把握しておくのは金銭管理の基本です。
言葉の意味を正しく理解して資金を管理してください。