「流用」と「転用」の違いとは?分かりやすく解釈

「流用」と「転用」の違い言葉・カタカナ語・言語

再び利用することを意味する言葉として「流用」「転用」があります。

具体的にはどのような違いで使い分けられているのでしょうか。

今回は、「流用」「転用」の違いについて解説します。

「流用」とは?

「流用」とは?

「流用」とは、「既に用意されているものを別の目的に使うこと」を意味する言葉です。

「流用」には「目的外使用」という意味合いが含まれています。

「特定の目的のために用意したものを何らかの理由により別の目的のために使用すること」「流用」であり「本来の目的とは違う使い方」を意味します。

一般的にはそのままの姿形で別の目的に使う場合に「流用」という表現を用いますが、用途や目的に合わせて多少手直しすることもあります。

いずれの場合にしても「もともと使用されてきた形や規模をそっくりそのまま残して別の目的に使うこと」を指して「流用」という表現を用います。

「流用」されるのは基本的に「準備されているがまだ本来の目的に使用されていない準備段階のもの」です。

一度使ってしまったものを再利用する場合に「流用」という表現を用いることもありますが本来の目的での使用回数や頻度が少ない場合に限られます。

悪意を含んだ表現だと説明されることもありますが本来の「流用」には悪意の意味合いはありません。

「横領」「着服」などネガティブな目的外使用の例が見られることから誤解されがちですが「流用」という言葉そのものは合法的で健全な場合にも用いられます。

「流用」の使い方

・『没になった市役所のデザイン案を区役所のデザイン案に流用する』
・『図書購入費として確保していた予算を備品購入費に流用する』
・『未発表の脚本を流用して新作を作る』
・『アイデアの流用に対して賛否両論が飛び交う』

「転用」とは?

「転用」とは?

「転用」とは、「本来の目的から別の目的に変更して使うこと」を意味する言葉です。

一般的に「転用」という表現は「既に実用されているものの使用を中止して別の新しい目的のために使うこと」を意味します。

実用品として使われているものをあらためて別の目的に使うのが「転用」であり改造を施したり再整備したりなど手を加えて新しくすることもあります。

使い道が決まっているものを別の方法で使うときに用いる表現なので使い方がはっきり決まっていないものに対しては使われません。

道具や設備など人が実際に手でふれて扱うものに対してのみ使われる表現です。

「転用」の使い方

・『農地を宅地に転用する』
・『災害が発生すると公園が避難場所に転用される』
・『ショッピングセンターの撤退後、残されたビルは区役所に転用された』
・『払い下げられた軍用車両はサファリパークの観光バスに転用されている』

「流用」と「転用」の違い

「流用」と「転用」の違い

「流用」「転用」はどちらも「本来の目的とは違う使い方をすること」を意味する言葉です。

「流用」は帳簿で管理される予算やアイデアなど形のないものにも使われるのに対し、「転用」は手でふれられる実物が存在する物品のみに使われるという違いがあります。

本番や現場で使用される前のものを別の目的に使う場合は「流用」は、既に使われている実績のあるものを別の目的に使う場合は「転用」という実際に使われているかどうかの違いでも区別されます。

まとめ

まとめ

「流用」「転用」は非常に意味が似ている言葉です。

厳密な意味には違いがありますが混同して使用されることも少なくありません。

本来の言葉の意味を正しく理解して適切に使い分けてください。