「目線」と「視線」はどちらも「目」を示す漢字が使用されていますが、詳細な意味合いが異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「目線」と「視線」の違いを分かりやすく説明していきます。
「目線」とは?
「目線」は「めせん」と読む言葉で、「特定の立場における物事の見方や捉え方」という意味を持っています。
上記のほかに「目を向ける方向」という意味もあり、特に映画やテレビなどの分野において「演者が目を向ける方向」を指す言葉として使用されています。
「視線」とは?
「視線」は「しせん」と読む言葉で、「目で見ている向き」を意味するほか、「特定の気持ちが表現された目つき」や「他人の目つき」を指す場合もあります。
また、「眼球の中心と目で見ている対象物を結ぶ線」などの意味で使用される場合もあります。
「目線」と「視線」の違い
「目線」と「視線」は表記や読み方が似ていますが、それぞれの持つ意味合いに違いがあります。
「目線」は「特定の立場での物事の見方や捉え方」といった意味があり、「視点」や「見方」などと同じニュアンスを持っています。
一方、「視線」は「目で見ている向きや方向」といった意味のほか、「特定の心情が表れた目つき」や「ほかの人の目つき」という意味で使用されています。
なお、「目線」にも「視線」と同じような「目の向き」という意味合いがあり、もともとは映画やテレビ分野の業界用語として「演者がカメラなどに目を向ける」際に使用されていましたが、現在では「視線」とほぼ同じ意味で使用されるケースもあります。
「目線」の例文
「目線」は「特定の立場における物事の見方や捉え方」もしくは「演者が目を向ける方向」を表現する際に使用します。
前者の場合は「上から目線」や「子ども目線」、後者の場合は「カメラ目線」といった使われ方をしています。
そのほか、文脈や状況によっては「視線」とほぼ同じ意味で使用される場合もあります。
・『彼女はなぜかいつも上から目線で意見を言う』
・『娘に勉強を教える際は、子どもの目線に立って問題に向き合うようにしている』
・『首相がカメラ目線で国民に語りかけた』
・『人見知りなので、人と話すときは目線が下がりがちになる』
「視線」の例文
「視線」は、「目が物を見る向き」や「特定の気持ちが表れた目つき」や「他人の目つき」を表現する際に使用します。
「視線が合う」や「視線をそらす」といった用法のほか、「迷惑そうな視線」や「世間の視線」などの使い方があります。
・『今日は気になるクラスメイトと妙に視線が合うような気がする』
・『パトロール中の警察官と目が合い、やましいことなどなかったがつい視線をそらしてしまった』
・『父はくしゃみが大きいので、たびたび家族から迷惑そうな視線を向けられている』
・『世間の視線を気にせず、ときにはゆっくり休養をとることも重要だ』
まとめ
「目線」と「視線」はそれぞれ別の意味を持っていますが、「目の向き」を指す言葉としては同じような意味合いで使用される場合があることを押さえておきましょう。
ぜひ参考にして、国語力アップに役立ててください。