この記事では、「嘔吐」と「嘔気」の違いを分かりやすく説明していきます。
「嘔吐」とは?
「嘔吐」とは胃の中に入っているものを口から吐き出すことを指します。
食べた物であったり飲んだ物が吐き出されることになりますが、胃が空の状態であっても胃液を吐き出したり、胃や喉などが何かを吐き出そうと運動することも「嘔吐」です。
通常「嘔吐」はまず先に気分の悪化や胸の不快感、気持ち悪さなどの前兆があるものですが、「嘔吐」の原因によってはそういった前兆なしに吐き出してしまうこともあります。
生き物が体内で生成される成分以外を取り込む方法は基本的に経口摂取です。
もし毒となる物を口から入れてしまった場合、消化吸収してしまえば体の害になるので、早急に排除しなければいけません。
有害な恐れがあるものを吸収してしまわないように、吸収するための前段階である消化を中断させ、外部へと排除するための体の動きが「嘔吐」になります。
「嘔気」とは?
「嘔気」とは胃の中のものを吐き出したいという気持ち悪さ、気分の悪さです。
身近で解りやすい表現としては吐き気があり、「嘔気」は医療関係の専門用語として使われたり、特に我慢できずすぐにでも吐き出したいというような、切羽詰まった気持ち悪さを、吐き気と区別する形で使われます。
病原菌や毒物のような有害な物質が体内に入った、精神状態や神経の異常などが「嘔気」を感じる主な原因です。
通常の場合、鼻や口から胃までの粘膜が刺激されることで、脳にある「嘔吐」中枢と呼ばれる部分に刺激が伝わり、「嘔吐」しろという指令が体に送られます。
しかし「嘔吐」中枢は胃などの肉体的な動きを司る神経だけでなく、心理的精神的な動きをするための神経とも繋がっているので、「嘔吐」しろという指令が胃などを動かすだけではなく、気持ちの悪さ、気分の悪さも引き起こしてしまいますが、それが「嘔気」です。
「嘔吐」と「嘔気」の違い
「嘔吐」と「嘔気」の違いを、分かりやすく解説します。
「嘔吐」は胃の中のものを口から吐き出すこと、「嘔気」は胃の中のものを口から吐き出したくなる気分や不快感です。
「嘔吐」は実際に吐き出していますが、「嘔気」はその吐き出したいという欲求に従って吐き出すこともありますが、「嘔気」を感じても耐えて吐き出さないこともあり、必ず吐き出すとは限りません。
また両者の関係性としては、まず「嘔気」を感じるという前兆があってから、実際に「嘔吐」してしまうという流れになることがほとんどでしょう。
まとめ
普段見かけない文字を使われていて少し難しい言葉な気がするかも知れませんが、「嘔吐」は吐くこと、「嘔気」は吐き気と思っておけば、意味の理解は簡単にできるでしょう。
体調不良を医者に伝える時などは、吐き気がしたけど実際に吐くのは我慢できたなら「嘔気」、我慢できずに吐いてしまったなら「嘔吐」と言えば、状態や状況をちゃんと伝えられるはずです。