私達が普段から使っている言葉の中には、同じ読み方をする同音異義語がたくさんあります。
その中で「油」と「脂」という言葉も同じ読み方をする言葉で「あぶら」と読んでいます。
今回はこれら2つの言葉にフォーカスして見ていくことにします。
「油」の意味や使い方
「油」は「普通、水に溶けない透明な液体のこと」で、「ごま油・大豆油・石油」のことを指しています。
身近な使い方では、「大豆油が健康にいい」、「ごま油で野菜を炒める」というような使い方をしていますが、中には「どこで油を売っていたんだ?」、「油を売る暇があるなら、しっかりと働け」といったようなうような言い回しをする場合もあります。
「脂」の意味や使い方
一方の「脂」は「動物性のあぶら」のことで、「肉の間に固まっているあぶら」のことを指しています。
「脂肪・皮脂・油脂・牛脂」などのことで使われますが、「植物のやに」のことを指す場合もあります。
この時は「脂」を「やに」と読みます。
身近な所ではらパイプに溜まる「タバコ成分の粘液」もあります。
「油」と「脂」の違い
ともに「あぶら」と読む「油」と「脂」ですが、「油」は「液体で植物性のもの」で、「脂」は「固体で動物性のもの」となり、「油」と「脂」は違いがはっきりしています。
「油」は常温で液体の状態で植物性油脂ですが、「脂」は常温で固体となっていて動物性油脂となっています。
「油」を使った例文と意味を解釈
「火に油を注いで、ますますお客さんを怒らせてしまった。まさに逆鱗に触れたと言ってもいいでしょう」
これは「勢いの盛んなものをさらに激しくさせてしまう」という意味があり、「お客さんをさらに起こらせた」と理解することができます。
ちょっとした問題で大きなクレームで迷惑をかけておきながら、素直にお詫びする所を言い訳がましくごまかしたことで、もう収拾がつかないくらいに、お客さんを激怒させてしまったのです。
「脂」を使った例文と意味を解釈
「魚や肉にどれぐらい脂が入ってるかで、味が全く違ってきます。良い魚や肉は脂がたくさん入っているので、この季節はとても味しいのです」
動物性の「脂」は、秋の秋刀魚などがとても豊富で美味です。
焼いて食べるのもいいですし、刺身で食すことも、おすすめです。
なんと贅沢な食べ方なのでしょうか。
こんなことを耳にするだけで、お腹が鳴って仕方がありません。
夏から秋に季節が移り変わる時の食材は「脂」が乗って最高の味と言えるでしょう。
まとめ
同音異義語である「油」と「脂」ですが、一言でその違いを言うと、「植物性」か「動物性」の違いになってきます。
「油」は「ごま油」などで調理に使われるものとして、あまりにも身近なものでしょう。
「脂」の方は、グルメ通の人にとっては、忘れることのできない重要なキーワードになるかもしれません。
それだけに似たような言葉のように思えても、しっかりとその違いを理解しておくことが必要です。