「希少」と「貴重」は類似した意味を持つ似た言葉です。
「希少」という表現は「希少な資源を大切に使いましょう」といった文章で使い、「貴重」という表現も「貴重な鉱物が見つかりました」といった文章で使われますが、「希少」と「貴重」の意味の違いはどこにあるのでしょうか?
「希少」の意味や使い方
「希少」という表現は、「数量が少なくて珍しいこと」や「発生頻度が極めてまれで珍しいこと」を意味しています。
「希少」というのは、「数量が少なかったり頻度が少なかったりして珍しいこと」や「珍しいために一定の価値が生じやすいさま」を意味する表現なのです。
「希少」の使い方は、「これは希少な生物種です」のように、「物事・事物・現象などの数量が少なくて珍しいさま」や「発生・発見の頻度が少ないさま(頻度が少なくて価値があること)」を指し示して使うという使い方になります。
「貴重」の意味や使い方
「貴重」という表現は、「非常に尊んで大切にすること」や「とても価値があって大切なさま」を意味しています。
「貴重」というのは、「得がたいもので価値があること」や「非常に値打ちがあって大切なさま」を意味している表現なのです。
「貴重」の使い方は、「貴重なお時間を頂きました」のように、「得がたいもので大切なさま」を指示して使うという使い方になります。
「希少」と「貴重」の違い
「希少」という表現は、「数量・頻度が少なくて珍しいこと」を意味しています。
それに対して、「貴重」という表現は「なかなか手に入らないもので価値があるさま、大切なさま」を意味しているという違いがあります。
「希少」の表現は「数量・発生の頻度(発見の頻度)が少ないこと」に意味の重点がありますが、「貴重」という表現は「数量の大小(頻度の大小)とは関係なく、非常に大切なもので価値があること」に意味の重点があるという違いが指摘できるのです。
「希少」を使った例文と意味を解釈
「とても希少な商品で人気もあるので、現在の中古品市場でもかなりのプレミア価値が付いているのです」
この「希少」を使った例文は、「希少」という表現を、「とても数量が少なくて珍しい商品で人気もあるので」という意味合いで使っています。
「貴重」を使った例文と意味を解釈
「今までしたことのないスキューバーダイビングを沖縄の海ですると決まった時は不安でしたが、今回は貴重な体験をさせてもらえて良かったです」
この「貴重」を使った例文は、「貴重」という表現を、「今回は、なかなか機会を得ることができない価値のある体験をさせてもらえて良かった」という意味を持つ文章で使用しています。
まとめ
「希少」と「貴重」の意味の違いについて解説してきましたが、「希少」の表現は「数量が少ないこと・発生や発見の頻度が少ないこと」に意味の重点があります。
それに対して、「貴重」の表現は「数量の大小とは関係なく得がたいもので大切なこと・とても価値があること」に意味の重点があります。
「希少」と「貴重」の意味の違いを正しく理解して、内容や文脈の意味に応じて適切に使い分けていきましょう。