「かどわかす」と「たぶらかす」の違いとは?分かりやすく解釈

「かどわかす」と「たぶらかす」の違い言葉・カタカナ語・言語

人に対するふらちな行為を指す言葉として「かどわかす」「たぶらかす」があります。

この言葉はどのような意味なのでしょうか。

今回は、「かどわかす」「たぶらかす」の違いについて解説します。

「かどわかす」とは?

「かどわかす」とは?

「かどわかす」とは、「身柄を拘束して連れ去ること」を意味する言葉です。

「かどわかす」は簡単にいえば「誘拐」です。

「他人の自由を不当な手段で奪い同意を得ぬままどこかに連れ去ること」「かどわかす」と表現します。

「かどわかす」は感じでは「拐かす」と表記します。

「拐」という字にはそのまま「さらう」という意味があり人さらいや誘拐、拉致など無理やり人を連れ去ってしまうことを表します。

現代では「かどわかす」という表現が用いられることはほとんどなく時代劇や時代小説などでのみ使われる古い言い回しです。

力まかせで抵抗する相手を強引に連れ去ってしまう様子を表す表現なので基本的には犯罪行為を指します。

「かどわかす」の使い方

・『逆恨みした人間が跡取り息子をかどわかす』
・『娘をかどわかすために駕籠を用意する』
・『昼日中に堂々とかどわかすとは大胆な犯人だ』
・『どんな理由があろうとも幼子をかどわかすのが正当化できるわけがない』

「たぶらかす」とは?

「たぶらかす」とは?

「たぶらかす」とは、「相手の心を惑わせて正常な判断能力を失わせること」を意味する言葉です。

「まともな状態であればそのようなことをするはずがないのに言葉巧みに言いくるめられたり金銭や色浴にみせられたりなどで行為に手を染めてしまうこと」「たぶらかす」と表現します。

本来は「だます」「あざむく」など「真実ではないことを本当のことだと思い込ませること」という意味で使われていましたが、そこから転じて「うそや虚言を用いて人を思うように操ること」という意味に変化して使われています。

人の心を操るという意味では「洗脳」に近くでたらめな内容を吹き込んで女性を思うがままにしたりライバル企業の社員をスパイに仕立てあげたりなど「自分の利益のため他人をだまして都合よく動かすこと」「たぶらかす」です。

「たぶらかす」の使い方

・『女をたぶらかすことにかけては天下一品の結婚詐欺師が捕まった』
・『若い人をたぶらかす悪徳商法に捜査の手がのびる』
・『独立開業を誘い文句にして意識高い系をたぶらかす』
・『彼にとっては結婚を焦る女性をたぶらかすのは赤子の手をひねるよりも簡単だ』

「かどわかす」と「たぶらかす」の違い

「かどわかす」と「たぶらかす」の違い

「かどわかす」が強引に身柄を拘束し連れ去ることを意味するのに対し、「たぶらかす」はだましたり惑わせたりして他人を自ら率先して都合よく動くよう操ることを意味します。

肉体的に束縛するのが「かどわかす」、精神的に見えない形でとりこにするのが「たぶらかす」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

「かどわかす」「たぶらかす」はどちらも他人に対するふるまいとしては適切なものではありません。

日常で使う機会は少なくほとんどは小説やドラマなどフィクションの世界で使われますが、犯罪の要素も含む言葉なので使う場面は慎重に選びましょう。