「移植」と「移殖」の違いとは?分かりやすく解釈

「移植」と「移殖」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「移植」「移殖」の違いを分かりやすく説明していきます。

「移植」とは?

「移植」とは?

いしょくと読み、植物を別の場所に植え替えること、他人の臓器を使って不全状態にある臓器と入れ替えること、コンピュータープログラムを別の機種に対応させること、ゲームを別のゲーム機種で発売することなどの意味があります。

植物の移植は植え替えなどとも言うため、新聞やインターネット記事などでよく目にするのは臓器移植とゲームの移植と言えるでしょう。

ただし植物の移植は植物系のウェブサイトではよく見られます。

プログラムの移植という言葉は70~80年代頃に生まれたものと考えられ、言葉として定着するまでに至っています。

ゲームの移植は概念としてはコピーに近く、ひとつのゲーム機でヒットしたものを複数の別のゲーム機に移植することがあるなどかなり概念が異なる部分があります。

「移殖」とは?

「移殖」とは?

いしょくと読み、移植と同じ意味合いを持つ言葉ではありますが、生物を異なる場所で増やすということを特に移殖と表記することがあり、アメリカザリガニはアメリカから戦後に日本へ移殖されたものということができます。

環境の変化に伴い、希少動物の移殖という活動も行われています。

一方、植物に関しては移植という言葉のほうが多く用いられます。

臓器移殖という使い方も行われ、正しい表記ではあるのですが、日本臓器移植ネットワークが移植、厚生労働省のホームページで「臓器移植について-」というタイトルが使われているなど、移植の方が多く使われています。

「移植」と「移殖」の違い

「移植」と「移殖」の違い

「移植」「移殖」の違いを、分かりやすく解説します。

移植は植物を別の場所に植え替えること、他人の健康な臓器を不全状態の臓器と移し替えること、コンピュータープログラムを別の機種対応させるという意味合いがあります。

移殖は意味自体は同じともされますが、動物を対象に使われる言葉としての向きが強く、植物を移殖する、コンピュータープログラムを移殖するという言葉は使われていません。

動物を移殖するという言葉では元いた場所ではなく別の場所で動物を繁殖させるという意図があり、産業・農業的な目的から、環境保護・保全のためなど様々な目的があります。

移植の「植」は植えるという意味合い、移殖の「殖」は増える、増やすという意味合いがあるため、動物を移殖というのが非常に意味が通っていると言えるでしょう。

一方臓器移植は増やすという意味合いはなく、植えるという方が近いとも言えます。

コンピュータープログラムやゲームの移植は増やすと言えなくもないのですが、移植が使われています。

まとめ

まとめ

移植と移殖は、読み方及び意味は同じ言葉ともされ、臓器移植、臓器移殖の両方の言葉が見られますが、公的機関では臓器移植が使われています。

動物の移殖に関しては移殖のみの用途と言える言葉といえ、移植では間違えた使い方になります。

一方植物は移植になります。