似たような意味を持つ言葉に「感銘」と「感動」があります。
この言葉にはどのような違いがあるのか。
この記事では、「感銘」と「感動」の違いを分かりやすく説明していきます。
「感銘」とは?
「感銘」には、忘れることができないほど深く感じるといった意味があります。
心に深く刻みつき忘れることができないようなことが「感銘」です。
瞬間的に感じることではなく、長期的にそのことに対し思い続けることとなり、それだけ深く自分自身に影響を及ぼしたものとなります。
「感銘」は、「印象」や「感嘆」、「感慨」などと同じ意味を持ちます。
「感銘」の使い方
「感銘」は、「感銘する」だけではなく、「受ける」や「覚える」、「与える」と一緒に用いる事が多くなります。
「感動」とは?
「感動」とは、何かを見たとき、聞いたとき、体験したときなど、そのことに対し強く心を動かされることです。
一瞬でも強く心が動かされることがあれば「感動」と言えるため、瞬間的な感情でも問題ありません。
その一瞬でも「感動」は「感動」です。
「感動」は、「感激」や「感心」、「愉快」、「興奮」などと同じ意味を持ちます。
「感動」の使い方
「感動」は、「感動する」をはじめ、「感動した」、「感動させる」、「感動を覚える」、「感動的」、「感動の名場面」などといった形で用いられます。
「感銘」と「感動」の違い
「感銘」も「感動」も、心に響き、心を動かされるようなものを意味します。
そのうえで、「感銘」には、心に深く刻みつき忘れることができないといった意味があり、「感銘」の場合、長期的なものとなります。
それに対し、「感動」は、強く心を動かされることを意味し、瞬間的な感情に対しても用いられる言葉となります。
この長期的なのか。
瞬間的なのか。
といった違いが両者を使い分ける大きなポイントです。
そのほか、「感動」は一般的によく用いられる言葉に対し、特別な場面で用いられることが多い「感銘」といった違いもあります。
「感銘」の例文
・『私は子供の頃に言われた祖父の言葉に深く感銘を受け、今の仕事を選びました』
・『高校生の頃に感銘を受けた本を今でも大切にしています』
・『私の夢は、感銘を与えることができるような小説を書くことです』
・『今夏の作品には、今まで味わったことがない感銘を覚えました』
「感動」の例文
・『オリンピックの感動の名場面を振り返り、再びあの時のように興奮しました』
・『最後まで努力し続けた後の彼の涙には感動しました』
・『名作を見て感動し、涙が止まりません』
・『我が子が卒園式に立派に参列している姿を見て、感動してしまいまいました』
まとめ
どちらも似たような意味として用いられますが、感じた期間の長さに大きな違いがあります。
長期的な感情の「感銘」に対し、瞬間的な感情の「感動」。
「感銘」の方が心に深く残ることに対し用いられるといった特徴があり、このことを基準に使い分けることで、正しく使い分けることが可能です。