この記事では、「ご参考ください」と「ご参照ください」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ご参考ください」とは?
「ご参考ください」とは間違った日本語の言い回しで、正しくは「ご参考にしてください」になります。
「参考する」の動詞がないため、「参考にする」が正しい動詞との組み合わせになります。
「ご参考にしてください」は、「ある物事をしようとする時に、誰かの意見や何らかの事例・データなどを引き合わせながら考えてください」を意味している言い回しになります。
「ご参考にしてください」は、「自分の考えだけで決めるのではなく、決める前に資料やデータ、意見なども確認して手がかりにしてください」を示している敬語の表現なのです。
「ご参照ください」とは?
「ご参照ください」とは、「何かをする際に、書かれている資料や文献、前例などを参考にしてください」を意味している表現です。
「ご参照ください」の「参照」というのは、「他の書籍・資料・データなどの記述されたものと照らし合わせてヒントにする」を意味している言葉です。
「ご参照ください」の敬語の言い回しは、何らかの資料やデータなどを相手に渡していることを前提にして、「仕事・意思決定の参考にするためにそれらの資料・データと照らし合わせてください」といった意味を持っているのです。
「ご参考ください」と「ご参照ください」の違い
「ご参考ください」と「ご参照ください」の違いを、分かりやすく解説します。
「ご参考ください」と「ご参照ください」の最大の違いは、日本語として正しいか否かにあります。
「ご参考ください」は実際には存在しない間違った言葉の用法です。
一方、「ご参照ください」は正しい日本語になります。
「参照」は「参照する」という動詞の表現があります。
「参考」には「参考する」という動詞の言い方はありません。
また「ご参考ください(ご参考にしてください)」という場合に、照らし合わせる対象には「他者の意見・提案(アイデア)」も含まれていますが、「ご参照ください」には含まれない違いも指摘できます。
「ご参照ください」という場合には、「話し言葉である他人の意見・助言・主張」は含まれず、「書かれた資料・文献・データ」などが照らし合わせの対象になっているのです。
「ご参考ください(ご参考にしてください)」の例文
・『専門家委員会で出された識者の問題指摘の意見もご参考にしてください』
・『当時の学生運動を知るためのご参考にしてくださいと言って出されたのは、昭和の時代に書かれた社会主義的なプロレタリア文学でした』
「ご参照ください」の例文
・『コスト削減計画のステップについて説明するために作成したこちらのプリントをご参照ください』
・『少子高齢化問題の解決が難しい理由を示している人口動態・アンケート調査のデータをご参照ください』
まとめ
この記事では、「ご参考ください」と「ご参照ください」の違いについて説明しましたがいかがでしたか?「ご参考ください」は「間違った日本語の言い回し」ですが、「ご参照ください」は「正しい日本語の文章」であるという明白な違いがあります。
「ご参考ください」と「ご参照ください」の違いを詳しく調べたい場合は、この記事の解説を参考にしてみてください。