「エビデンス」と「ファクト」の違いとは?分かりやすく解釈

「エビデンス」と「ファクト」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「エビデンス」「ファクト」の違いを分かりやすく説明していきます。

「エビデンス」とは?

「エビデンス」とは?

英語の“evidence”に由来する、外来語です。

「証拠」「根拠」といった意味合いで使われることの多い言葉です。

使われる場面によって、意味合いが多少異なります。

ITの専門用語としては、システムの開発分野でプログラムやサブシステムが思い通りに動いたことを示す証拠や、検証結果を表します。

例えば、システムが正しく動いているもの、又は、エラーが出てしまった時の画面を証拠として保存しておき、「エビデンス」と呼んで使用します。

ビジネスの場では、発言や提案の証拠などを指す用語として使用されています。

また、経理のときに、請求書や領収書のことを、「エビデンス」と呼ぶことがあります。

医学や保健医療の分野では、その、治療法が良いといえる証拠のことを指します。

科学的根拠があるという意味です。

「エビデンス」の使い方

名詞として、「エビデンスがある」「エビデンスを求めます」などと、使用します。

「ファクト」とは?

「ファクト」とは?

英語で“fact”と綴り、「事実」「実際にあったこと」という意味になります。

似た意味の言葉に “truth”がありますが、こちらは、「真実」という意味になります。

単なる事実ではなく、誰かが本当だと信じていることという主観的な意味合いも入ってきます。

「ファクト」は、理想や主観的なもの、作り話などではなく、事実に基づいたものであるという意味です。

ビジネスで「ファクト」という言葉を使用する場合には、主観的ではない、事実を指します。

「ファクト」の使い方

名詞として、「ファクトを示す」「ファクトに基づいて対処する」などと、使います。

また、「ファクトベース思考」や、「ファクトコントロール」など、組み合わせて使うこともあります。

ファクトベース思考とは、事実やデータに基づいて考える思考法のことで、ファクトコントロールとは、経験や勘などに頼らず、客観的事実に基づいて仕事をすすめることを表す言葉です。

「エビデンス」と「ファクト」の違い

「エビデンス」と「ファクト」の違い

「ファクト」は事実という意味なので、根拠というニュアンスは含んでいません。

「エビデンス」は、証拠、根拠という意味になるので、そのエビデンスだけで主張したい方向性も含んでいることが多くなります。

しかし、ファクトは、事実なので、主張したいことがない場合や、主張したいことに反する場合でも、指し示すことがあります。

例えば、「ファクトフルネス」という言葉があります。

これは、データや事実によって、世界を読み解くことです。

根拠や証拠を探すのではなく、思い込みをなくして考えるためのものです。

問題は何かを探す段階だといえます。

「エビデンス」の例文

「エビデンス」の例文

・『システムの不具合があるという話を聞きました。エビデンスをください』
・『エビデンスのない情報には惑わされないようにしたいのですが、エビデンスがあったとしても、データが本物なのかどうかが分かりません』

「ファクト」の例文

「ファクト」の例文

・『よくデマを信じてしまうので、友人にファクトチェックをお願いしてみました』
・『多くの人にとっては、ファクトよりも感情の方が大切なのかもしれません』

まとめ

まとめ

エビデンスには証拠・根拠という意味がありますが、ファクトにはその意味合いはありません。