この記事では、「おいでになる」と「お越しになる」【おこしになる】の意味や使い方、違いを分かりやすく説明していきます。
「おいでになる」とは?
「いらっしゃい」をより丁寧語にした「いらっしゃる」の意味を込めて、これから客が来ることを表すときに使うのが「おいでになる」です。
漢字では「お出でになる」と書き、人が来ることを知ったうえで店の者に伝えたり、社員に伝えるわけです。
どちらかと言えば、下で働く者が上の立場の者に対して「来る」ことを丁寧な言葉で伝えるときに使い、今から訪れることを直接対面して伝えるときに使われています。
「おいでになる」と言う対象としては、社長や重役、目上の人など普段から敬語を使い、失礼のないように出迎える立場の人を対象としています。
「お越しになる」とは?
尊敬語として使われている「お越しになる」【おこしになる】は、目上の人に対して失礼がないように「来る」ことを表す言葉です。
漢字の「越す」を使うことで「山の峠を乗り越えて来る」ように、かなり遠方から来る人を対象にしています。
県外からわざわざ時間をかけて来る人や、忙しい取引先相手が大変な思いして来てくれることに敬意を払い、出迎える気持ちを表すわけです。
職場では立場が上の客がこれから来ることを職場の人や社長に伝えて、失礼がないよう手厚く招き入れる体勢を整える準備します。
「おいでになる」と「お越しになる」の違い
「おいでになる」と「お越しになる」の違いを、分かりやすく解説します。
立場が同等な客が来るときや、一般の予約客などが予定通りに来ることを丁寧に人へ伝えるときに使うのが「おいでになる」です。
一方の「お越しになる」は、取引先の偉い立場の者や金銭的にお世話になっている目上の人など、尊敬と敬意を表す人がはるばる訪ねてくるとき「今からここへ来る」ことを伝えるときに使われています。
「おいでになる」の例文
・『これから予約客がおいでになるので、私は食事の準備に取り掛かる』
予約している客が来るので、食事することを従業員に伝えるわけです。
・『来週は取引先がおいでになるので、相談内容を改めて見ておくことにした』
取引先が来ることが分かったので、どのようなものを求めているかを考えておくことは大切なことです。
「お越しになる」の例文
・『これからお越しになる取引先の社長を応接間へ通すよう上司に命じられた』
職場では、社員がこれから来る取引先相手に失礼がないようもてなすとき応接間や社長室へとご案内します。
・『バスでお越しになるお客様へ、乗り場のご案内です』
交通機関を使い、はるばる来て頂いた客が困らないよう乗り場を丁寧にアナウンスで伝えるときにも使える言葉になるわけです。
まとめ
どちらもこれから来る人へ尊敬の念を込めつつ周囲に伝えられる言葉になりますが、「おいでになる」は、取引先の相手や飲食店に予約した人が来ることを表す言葉であり、「お越しになる」は社長や目上の人、大事な客が来るときに使うと覚えておくといいでしょう。