この記事では、「庇護」と「擁護」の違いを分かりやすく説明していきます。
読み方の難しい言葉を調べていきましょう。
「庇護」とは?
庇護(ひご)とは、守ってあげること。
いたわって、かばうことです。
おもに大きなものが、小さなものの世話を焼く場合に使われています。
強者が弱者をかくまってあげるのが庇護です。
庇護には「庇」という難しい漢字が使われています。
「庇(ひさし)」は屋根のパーツのこと。
大雨や大雪から住まいを守ってくれる、大切な仕掛けです。
そのため権利が侵されないように守ってあげること、保護してあげることが庇護です。
またサポートする立場を庇護者といいます。
保護者と同じような意味で、使われています。
「擁護」とは?
擁護(ようご)とは、かばうこと。
周囲の攻撃から、守ってあげることです。
自分の身内やかわいがっている人の肩をもつ様子を「擁護」といいます。
おもに発言やSNSのメッセージに用いられることが多く「芸能界のご意見番が、擁護するコメントを発表した」などと使います。
もともと「擁護」の「擁」には「取り囲む」という意味があります。
そのためこれ以上その人に被害がおよばないように、ぶ厚い壁をつくって守ること。
味方になってあげる様子が擁護になります。
悪いニュースが起こって矢面に立たされている人を、自分の発言で守ることが擁護です。
「庇護」と「擁護」の違い
いずれも「護」という漢字があり、使い方も似ています。
「庇護」と「擁護」の違いを、分かりやすく解説します。
・行動で守る「庇護」言葉で守る「擁護」
庇護と擁護の共通語である「護る」には「かばう」という訳があります。
そのため周りからの圧を受けないように、何らかの方法で守ってあげるのが庇護と擁護になります。
違いは、どう守るかです。
庇護はある組織が、特定の企業を守ること。
または大きな国が小さな国を傘下におく場合にも使われています。
大きな組織が、弱いものを守るのが庇護です。
対して擁護は、おもに個人が個人を守る場合に使われています。
世間の批判を受けて弱っている人を、救ってあげるコメントを出すこと。
攻撃を受けている人の味方になってあげることが擁護です。
庇護は勢力の大きなものが、弱いものを守るときに使われています。
そのため庇護者というと、パトロンのような支援者をあらわします。
経済や武力で守ってあげる人が庇護者です。
擁護は窮地に追い込まれた弱者を、言論によって救ってあげること。
金銭的な援助をおこなわない、一時的な救いの手をあらわします。
そのため擁護よりも庇護の方が、厚みと重みがある言葉です。
まとめ
「庇護」と「擁護」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「まもる」という訳があります。
庇護とは大きな勢力が小さな勢力を、金銭や武力でまもること。
他からの攻撃を受けないように、傘下におくことです。
そして擁護とはすでに攻撃を受けている人を、おもに言葉で守ること。
味方になってあげることです。