この記事では、「順応」と「慣れ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「順応」とは?
「順応」には2つの意味があります。
ひとつは、環境や境遇などが変わっていくにつれて、性質や行動がそれにあうように変わることです。
同じことに何度も触れて違和感がなくなることではなく、性質などが変わっていくことを意味しています。
夜行性動物で説明をします。
本来は夜に活動する動物をペットとして飼育をしています。
人間は昼間に活動をし、夜には眠ります。
このペットは人間とは活動時間帯が逆で、昼間は寝ていて、夜に活動をします。
こういった動物でも、長く人間と暮らしていると昼間に起きていて、夜に眠るようになってくることがあります。
環境が変わったことに従い、性質が変わったのです。
このように、周りなどが変わることに従って、性質などが変わることを指す言葉です。
もう一つの意味は、外側からの刺激に対して、感覚器官に違和感がなくなること、感覚器官が通常のこととして受け入れられるようになることです。
明るい屋外から室内に移動をすると、最初は暗くてよく見えません。
しかし、しばらくすると普通に見えるようになります。
明るい屋外という環境から、屋外に比べて暗い室内という環境に変わっています。
それに従い、目の働きが変わっています。
「順応」の使い方
環境や状況などが変わって、それにつれて性質や行動などが変わることを指して使用をします。
環境などが変わっても性質などが変わらない場合には使用しません。
「慣れ」とは?
主な意味は2つあります。
ひとつは、その状況に長く触れたり、何度も経験をしたりして、そのことに違和感がなくなることです。
家の中の家具の配置を変えると、今までとは違って変な感じがします。
しかし、長くそこで生活をしていると、どこに何があるのかわかってきて、変な感じがなくなってきます。
このように、普通のこととして受け入れられるようになることを意味しています。
もう一つの意味は、何度もそれをやることで上手にできるようになるです。
はじめて一人旅をするとき、電車の乗り換えなどわからないことがあるでしょう。
しかし、何度もやっていると、だんだんとわかって、うまく旅ができるようになってきます。
「慣れ」の使い方
何度もそれをしたり、触れたりすることで、違和感がなくなることや、上手になることに使用をします。
「順応」と「慣れ」の違い
前者は、周囲が変わることに従って性質などが変わることです。
後者は変わることではなく、普通のこととして受け入れられるようになることです。
「順応」の例文
・『環境に順応する』
・『新しいスタイルに順応する』
・『新しい土地に順応する』
・『やっと順応することができた』
「慣れ」の例文
・『引き取った猫が飼い主に慣れた』
・『慣れでやっている』
・『慣れから気を抜いてしまった』
・『慣れない』
まとめ
一方は環境などにあわせて変わること、もう一方は違和感がなくなることで、意味合いが異なります。