この記事では、「懲戒免職」と「解雇」の違いを分かりやすく説明していきます。
「懲戒免職」とは?
「懲戒免職」とは公務員に対して、その職を失わせるという処分です。
一般的な企業で言えば「解雇」に当たる処分と言えるでしょう。
懲戒とついているように、「懲戒免職」を受ける公務員は、何らかの規定や社会的道徳観に反していた人物であり、その違反した罪が重いからこそ、公務員の立場を追われるという重い処分を受けることになります。
公務員は文字通り公的機関に勤めている人間であり、政府、もっと言えば国が雇っている人物です。
なので公務員の行い次第では、国民の国に対する信用を損なう可能性すらあります。
なので内々に処理できる程度の小さいものでは済まず、一般市民にも知られていたり、信頼を損ないかねないような行いをした公務員は、国が雇い続けるのに不適とみなされ「懲戒免職」を受けることになるでしょう。
また「懲戒免職」を受けた人の名前は、全国に公開されることもあります。
「解雇」とは?
「解雇」とは雇用している人に対して、企業が一方的に雇用契約を破棄することです。
「解雇」される理由は様々で、その人が企業の規則に違反して注意されても態度を改めなかった、企業の社会的信用を損なった、許容できない損失を企業に与えたなど、企業ができる最も重い懲戒として「解雇」されることが多いでしょう。
ただし必ずしも「解雇」される人に問題があるとは限らず、企業が人を雇い続ける余裕がなくなったから、人件費を削るために社員を「解雇」することもあります。
そのため「解雇」されたからと言ってその人の名前が悪名として周囲に知れ渡ることはありませんし、同業他社に雇用される可能性がなくなるわけでもありません。
「懲戒免職」と「解雇」の違い
「懲戒免職」と「解雇」の違いを、分かりやすく解説します。
「懲戒免職」は公務員に対してなにかの罰として職を失わせること、「解雇」は企業が雇用している人に対して企業が一方的に雇用を打ち切ることです。
「懲戒免職」は罰なのでなにか悪いことをした人にしかされません。
しかし「解雇」は罰としてされることもありますが、企業側だけの都合でなにも悪くない人が「解雇」されることもあります。
また「懲戒免職」は雇用していた政府の信頼にも関わりかねないので、悪事次第では「懲戒免職」を受けた人の名前を公開することもあり得ますが、「解雇」された人は、誰某が「解雇」されましたと名前を世間に公開されることはありません。
まとめ
「懲戒免職」は公務員版の「解雇」とも言えますが、雇用者の都合で本人が悪くなくてもされる可能性がある「解雇」と違って、本人は何も悪くないのに「懲戒免職」されることはまずありません。
「懲戒免職」はただ公務員が「解雇」されただけと認識せず、問題を起こした公務員が、その罰として職を失うことになった、という懲戒と免職、どちらの意味も理解しておくべきです。