「盛り塩」と「清め塩」の違いとは?分かりやすく解釈

「盛り塩」と「清め塩」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「盛り塩」「清め塩」の違いを分かりやすく説明していきます。

「盛り塩」とは?

「盛り塩」とは?

「盛り塩」とは、「厄除けや魔除けのために玄関付近に盛って置かれる塩」を意味する言葉です。

「盛り塩」の習慣が生まれたのは平安時代だと言われています。

当時の貴族は日常の移動に牛が引く牛車を使用していました。

とてものんびりした乗り物である牛車ですが当時としては最高級の乗り物であり牛車が止まるような家はそれだけ身分の高い人と関わりがある家だという証拠になっていました。

当時の結婚制度は夫と妻が別居する通い婚が主流であり女性としてはできるだけ男性に多く訪ねてきて欲しいと考えています。

手紙を送ったり贈り物のやりとりをしたりなどあの手この手で気を惹く努力をつくし女性同士で競い合われますが、もっと直接的な手段として「牛車を直接止めてしまえばいい」という方法が考えだされました。

暴力的な手段で止めるのは問題になるので効果的な方法として使われたのが「牛車を引いている牛の興味を惹いて止める」というものです。

牛の主食は草ですが生存のために塩に含まれるミネラル摂取が必須です。

一般的は土の中に含まれるわずかなミネラルをなめますが飼育下にある牛には岩塩が与えられます。

牛にとって塩は必須の食品であると同時に大好物なので道端に塩が置かれているのを見つけると足を止めて舐め始めてしまいます。

このような習性を利用した「牛車を止めるため門前に塩を持っておく行為」が盛り塩のルーツです。

本来は貴人の牛車を止めるための「盛り塩」でしたが待ち人が来ることが「自分にとって好ましいことが訪れる」と解釈され「幸運を招いたり悪運をさけたりするために塩を盛る」という風習が広がります。

塩にはもともと魔を払うという使われ方がされていたことから現在では「災厄や悪運を退けて幸運を招くため家や店の前に盛る塩」「盛り塩」と呼んでいます。

「盛り塩」の使い方

・『家の前に盛り塩を置く』
・『店を開ける前に盛り塩をするのが習慣になっている』
・『最近は盛り塩をしている店が少なくなった』
・『盛り塩は毎日交換しないと効果が薄まるといわれている』

「清め塩」とは?

「清め塩」とは?

「清め塩」とは、「悪霊などを寄せ付けないために使われる穢れ払いのための塩」を意味する言葉です。

洋の東西を問わず古くから塩には悪霊や魔物を払い清める力があるとされてきました。

もともとは塩の殺菌効果によりキズの悪化を防いだり消毒効果があったりする名残だとされていますが、人の力ではどうしようもない超常的な悪に対して高い効果を発揮するとして使われる塩のことを「清め塩」と呼びます。

一般的には葬式や法事の後に例を自宅に引きずらないよう家に入る前に体にかける塩が「清め塩」です。

「清め塩」の使い方

・『葬式帰りは清め塩をかけてから家に入る』
・『清め塩で悪霊を打ち払う』
・『悪いことが起きた後は清め塩を巻くことにしている』
・『清め塩で場を清める』

「盛り塩」と「清め塩」の違い

「盛り塩」と「清め塩」の違い

「盛り塩」「清め塩」はどちらも悪いものを打ち払うために用いる塩を指します。

「盛り塩」が家やお店など特定の場所を守るための結界としてであるのに対し「清め塩」は悪いものに直接ふりかけて穢れを打ち払う攻撃的な使われ方をされているという違いがあります。

まとめ

まとめ

「盛り塩」「清め塩」はどちらも日本に古くから根付いている塩の使い方です。

化学が発達した現代でもまだまだ多くの場所で行われている風習なのでしっかり意味を覚えておきましょう。