この記事では、「他方」と「一方」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている語を見分けていきましょう。
「他方」とは?
他方(たほう)とは、2つある内の1つのこと。
または異なる方向をあらわします。
また「別の観点から見ると」という訳もあります。
色々な意味合いを含んでいる、豊かな言葉です。
そもそも「他方」の「他」には「別のもの」という訳があります。
そのため今のテーマから変わること。
目線を移して、別のものが議題にあがるときに「他方」はよく使われます。
「他方では」や「他方において」などは、別の話題を持ち出すときにも利用されています。
見る角度を変えて、違う方向から問題を見ることが「他方」です。
「一方」とは?
一方(いっぽう)も、2つある物の片側をさします。
そして1つの方面や行き先をあらわします。
また接続詞「けれども」や「あわせて」の代わりに扱われています。
「話は変わるけれども」のように、テーマを大幅にかえる場合にも用いられています。
前の言葉を打ち消したり、同じような事柄を付け加えたりできる、とても便利な用語です。
一方には「関連するひとつの事柄」という意味合いがあるので、本質的に似ているもの、関連している事柄をくっつける役割があるのが「一方」です。
「他方」と「一方」の違い
どちらも「方」が付いているので、間違えやすいです。
「他方」と「一方」の違いを、分かりやすく解説します。
・「他方」にはない意味もある「一方」
他方と一方は、造りがとても似ているので紛らわしいです。
どちらも「ところで」と話のテーマを変えるときに用いられています。
Aという物事とBという物事があったとき、2つをつなぎ留めているのが「他方」と「一方」です。
「他方」には「別の視点・別の側面」という意味合いがあるので、これまでの話に別の問題を付け加えたいときに使われています。
悪いように見えることを、良い角度から見直してみたり、反対に良く見えることを悪い観点から振り返ったりするのが「他方」になります。
対する「一方」には「ところが」と同じように、相反する働きで使われることがあります。
前の事柄からは予想もできない、相反する内容を後の文につなげていくときに「他方」が選ばれます。
また「一方」は「痩せる一方」や「衰える一方」のように、ある傾向が顕著なときにも用いられています。
他方にはない「偏り・傾向」をあらわすのが一方です。
他方と一方はよく似ていますが「一方」は「他方」よりも色々な訳がある複雑な言葉です。
まとめ
「他方」と「一方」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「他方」とは、ほかの側面のこと。
別の角度から物事を眺めるときに使います。
「そして」と同じように利用できます。
また「一方」には「反面・同時」という意味があります。
「ところが」や「加えて」と同じように利用できます。
それぞれの意味を知って、日常生活に活かしていきましょう。