似たような意味で使われる言葉として「自活」と「自立」があります。
この言葉は具体的に何を基準にして区別されているのでしょうか。
今回は、「自活」と「自立」の違いについて解説します。
「自活」とは?
「自活」とは、「自分の力で生活すること」を意味する言葉です。
「自活」が指しているの「援助を受けることなく生活をおくること」です。
この場合の生活とは食事をしたり選択をしたりといった日常的な活動だけではなく働いてお金を稼ぎ収入をやりくりして生計を立てていくような金銭を含む日々の営み全般を表しています。
親元で生活している子どもは生活の大部分を親に頼っています。
成長してからも親と同居している人もいますが生活費や家事労働を全て自分でこなしていても家賃を負担していなかったり困ったときに手助けしてもらったりなど何らかの形で援助を受けていることがほとんどです。
「自活」とは一般的には「親元を離れ経済的に頼らない独り立ち」という意味で使われています。
親や親戚からの援助以外にも公的な援助などを含む他人の助けを受けないのが「自活」です。
一人暮らしでも親元から仕送りをもらっていたり親の所有するアパートに住んでいたりするのは「自活」にあたりません。
金銭面での援助も家事労働のサポートも自分負担以外の外部支援が一切ない状態を「自活」と表現します。
「自活」の使い方
・『自活できるよう就職先を探す』
・『早く学校を卒業して自活できるようになりたい』
・『天涯孤独なので自活するしか選択肢がなかった』
・『自活するにはまず住む場所が必要である』
「自立」とは?
「自立」とは、「他人の力を当てにせず自分の力や判断のみで行動できるようになること」を意味する言葉です。
「自立」が意味するのは「自分が自分の身で成立している状態」です。
誰かの力を頼ったり援助を受けたりしないとやっていけないような人は自分の力だけで成立しているとはいえません。
他人の助けがなくてもやっていけるような「個として確立されること」を指して「自立」と表現します。
「自立」は一般的に「経済面で他人の力を借りなくてもやっていけるようになること」という意味で使われますが、精神的に他人に依存する必要が無かったり誰かの手を借りなくても仕事を成し遂げたりなどあらゆるものごとにおいて「自分一人で不安のない状態」が「自立」なので経済力以外でも用いられます。
「自立」の使い方
・『昔に比べると今は自立した若者が多い』
・『自立には精神的な成長が欠かせない』
・『あまり早く自立させようとすると逆にうまくいかないことが多い』
・『教育を通じて自立を促す』
「自活」と「自立」の違い
「自活」が生活面での独り立ちを意味するのに対し「自立」は経済面や精神面での独り立ちを意味する表現です。
どちらも他人の力を頼らない点は同じですが現実面で人に頼らないのが「自活」、自分で自分を制御できているのが「自立」という違いで区別されます。
まとめ
「自活」と「自立」は日常生活でも使われる言葉ですがよく似た意味なので混同されることが多い表現です。
どちらも独り立ちを表しますが内容や対象の違いで区別されるので注意してください。