この記事では、「離す」と「放す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「離す」の意味や使い方
「離す」は、距離や間隔を空けるという意味になります。
「これとこれは離して置くように」と、物同士の間隔に対して使うことや、「あの2人は仲が悪いので、なるべく席を離した方がいい」のように、人に対しても用いることができます。
主に2つの対象の距離を遠ざける、または基準となる対象から遠ざけるという使い方になりますが、どれくらいの距離かという点は別に表現する必要があります。
「離れる」という形にすると、距離や間隔が空くことが表現でき、「飽きてしまって、もう心が離れてしまった」などと、物理的な意味だけでなく、距離や間隔と表現できる対象であれば用いることができる言葉です。
「放す」の意味や使い方
「放す」とは、自由な状態にすることで、それまで握っていたり、捕まえていた対象をそのようにするという意味で使われます。
「レバーを放すと止まってしまう」、「飼っていた小鳥は放すことにした」のような使い方になり、頭の一字付けて「手放す」や「見放す」と使われることも多いです。
そのような形にすると、それぞれ自分の所有物をそうではなくする(誰かに渡す、売却する)こと、何らかの対処から外すことの表現になります。
こちらの言葉も「見放す」のように、物理的な意味以外にも用いることができ、「医者にも見放されるような病状だと聞いた」のような使われ方がそれに当たります。
「離す」と「放す」の違い
「離す」と「放す」の違いを、分かりやすく解説します。
「離す」は、距離や間隔に対して使う言葉で、それを空ける(広げる、遠ざける)という意味で使われます。
「放す」の方は、握ったり、捕まえていたものを開放するという意味になるので、「はなす」と同音の言葉同士ですが、それほど似ているという訳でもありません。
ただし、先の「見放す」は「見離す」とも表記できることから、使い方によっては似た意味になる場合もあると考えていいでしょう。
「離す」を使った例文と意味を解釈
「離す」を使った例文と、その意味の解釈になります。
「離れる」、「離れた」という形で見聞きすることが多い言葉です。
「離れた所に住んでいるので、それほど影響は無かった」
物理的に距離が空いていたと表現している使い方になります。
10キロも離れた所に~のように、具体的な距離を加えて使うと、より状況が分かりやすくなります。
「放す」を使った例文と意味を解釈
こちらは「放す」を使った例文と、その意味の解釈になります。
「放した」とすると、そのようにした後だという解釈で使うことができます。
「言われた通りにすぐに手を放したが、少し遅かったようだ」
手を掛けている、握っている状態からすぐ開放するようにと指示があったものの、タイミングが少し遅かったと言っています。
「手放す(放した)」とすると、また違う意味になるので注意してください。
そちらの場合、手を掛けているような状態ではなく、所有している状態からという解釈になってしまいます。
まとめ
「離す」と「放す」は、このような違いのある言葉です。
似た使い方もできますが、意味としては別の言葉だと覚えておきましょう。