この記事では、「全治」と「完治」の違いを分かりやすく説明していきます。
「全治」とは?
病気や怪我などがすっかり治ることです。
少し治ることではなく、すべてすっかり治ることを意味しています。
この言葉が指す病気や怪我の具体的な名前は意味に含まれていません。
病気には、糖尿病、胃がん、大腸がん、関節リウマチなどさまざまなものがあり、怪我には、切り傷、刺し傷、すり傷などさまざまなものがあります。
たとえば、骨折をしたとします。
通常の状態は、骨にひびが入っていたり、骨が折れていたりしない状態です。
骨折は何らかの原因で骨に連続性がなくなった状態で、通常の状態とは異なります。
この状態から連続性のある通常の状態に完全になることが「全治」です。
骨は再生する力があるため、もとの状態に戻ることができます。
すっかりもとの状態に戻るためには時間が必要です。
病気や怪我の状態によって必要な時間は異なります。
この言葉には、どれくらいの期間が必要だという意味は含まれていません。
「全治」の使い方
精神的あるいは肉体的に苦痛を伴い日常生活を送るのに支障が出る状態が、すっかりとよくなることに使用をします。
「完治」とは?
病気や怪我がすっかり治ることです。
少しだけ治ることではなく、すっかりと治ることを意味しています。
この言葉が指す病気や怪我の具体的な名前は意味に含まれていません。
バセドウ病、白血病、緑内障、すり傷、切り傷など、さまざまなものを指しています。
また、すっかり治るのには時間がかかりますが、この言葉にはどれくらいの期間が必要なのかという意味は含まれていません。
足に水虫ができたとします。
水虫は白癬菌の感染が主な原因で、白癬菌を退治すれば治すことができます。
治すためには、一般的には塗り薬を使用します。
しっかりと塗り薬を塗った結果、水虫によってぐじゅぐじゅとしていた皮膚の状態が正常になり、かゆみがなくなりました。
すっかりよくなったのです。
こういった事柄を意味する言葉です。
水虫は治ったと思っても、またかゆくなることがあります。
これはすっかりよくなったとはいえないので、この言葉が指すものではありません。
「完治」の使い方
精神的あるいは肉体的に苦痛を伴い日常生活に支障がある状態から、すっかりともとの状態になることに使用をします。
「全治」と「完治」の違い
どちらの言葉も意味は同じです。
使い方に違いがあり、「全治」は「全治○週間」のような使われ方をし、「完治」は「完治した」のような使われ方をします。
「全治」の例文
・『全治するまで安静にしている』
・『全治するまでおとなしくしている』
・『全治までどれくらいかかるかわからない』
・『全治したらまた試合に参加したい』
「完治」の例文
・『完治したことをお祝いする』
・『完治にむけて治療中だ』
・『全員完治した』
・『完治を目指す』
まとめ
2つの言葉の意味は同じです。
違いは使われ方です。