「振り幅」と「振れ幅」の違いとは?使い方や例文など分かりやすく解釈

「振り幅」と「振れ幅」の違い二語の違い

この記事では「振り幅」「振れ幅」の言葉の意味の違いや、使われ方の違いについて分かりやすく説明します。

「振り幅」とは?

「振り幅」とは「振幅」の訓読み表現で、その「振幅」とは波や振り子などの「物体が振動している時の、振動の中心から最大変位までの距離、すなわち振動の幅の半分」を意味する言葉です。

振動している物理現象に対して使われるだけでなく、一般的には比喩的に「揺れ動くものに対して、その揺れの大きさ」の大小を指す際に、広く使われている言葉です。

この「振り幅」「振り」は、文法的に見れば、他動詞である「振る」が変化したものです。

「振り幅」の使い方

「振り幅」の言葉は、以下の例文のように使われます。

・『ゴルフのスイングの振り幅を少し小さくし、コントロールを意識した方が良いと注意された』
・『バットの振り幅で、空振りか否かが、判定されます』

「振れ幅」とは?

「振れ幅」も、「振り幅」と同じく、「振幅」の訓読み表現で、一般的には前項の「振り幅」と同じ意味で使われています。

こちらの「振れ幅」は、文法的に見れば、自動詞の「振れる」が変化した言葉です。

「振れ幅」の使い方

「振れ幅」の言葉は、以下の例文のように使われます。

・『彼女は感情の振れ幅が大きく、しかも喜怒哀楽がすぐに表面に出ます』
・『株価は変動するのが当たり前ですが、今日の振れ幅の大きさは異常とも言えます』

「振り幅」と「振れ幅」の違い

「振り幅」「振れ幅」はいずれも物理的な「振動の振幅、すなわち振動の中心から最大変位までの距離」を指すと共に、比喩的に「揺れ動くものに対して、その揺れの大きさ」の大小を指す同様の意味で、広く使われている言葉です。

ただし、「振り」は、文法的に見れば、他動詞である「振る」から来ていることから、. 「振り幅」は人の意志でコントロールできる動作を表す際に使い、「振れ幅」は自動詞の「振れる」が変化した言葉なので、人の意志とは無関係に揺れる様子を指す場合に使うべきとする辞書も少なくありません。

すなわち、「振り幅」「ゴルフのスイングの振り幅が大きい」などと使い、一方の「振れ幅」「地震計の振れ幅」「感情の振れ幅」などと使い分けるのが良いとされています。

厳密には、こうした使い分けが正しく出来るのがベストでしょうが、使い分けが出来ずに、いずれかの言葉を全ての場合に使っても、明らかな誤り言われることは少ないと言えるでしょう。

まとめ

「振り幅」「振れ幅」はいずれも物理的な「振動の振幅」を指すと共に、比喩的に「揺れ動くものに対して、その揺れの大きさ」の大小を指す際に、同じ意味で広く使われている言葉です。

厳密には、自分で制御できるものについては「振り幅」を、必ずしも自分で制御できないものについては「振れ幅」を使うべきとされています。

しかし、いずれの場合にも「振り幅」と表現したり、また「振れ幅」と表現しても、誤用だと指摘されることは少ないと言えるでしょう。