集まったたくさんの人を指す言葉として「野次馬」と「見物客」があります。
このふたつの言葉はどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「野次馬」と「見物客」の違いについて解説します。
「野次馬」とは?
「野次馬」とは、「自分とは無関係の出来事を一目見ようと物見高く集まってくる人々」を意味する言葉です。
事件や事故などが起きると滅多に見られない出来事を見物しようとどこからともなく大勢の人が集まってきて現場を取り囲みます。
そのような「関係のない出来事をめあてに集まってくる興味本位の人々」を「野次馬」といいます。
自分の見たことがないものや珍しいものに興味をもつのは人間の本能です。
一般的に「好奇心」と呼ばれるそのような気持ちは未知の物事に挑戦したり新しいものを解明したりなどポジティブな形で発揮されることも多いのですが、余計なことに首を突っ込んだり関係のない物事に無責任に関わったりといったネガティブな行動を引き起こすこともあります。
「野次馬」というのは「出来事に対して興味本位で見るばかりで役に立たない人達」というあまりよくない意味合いが込められた言葉です。
事件や事故が起きると多くの「野次馬」が集まりますが彼らは興味本位で観ているだけでなんの役にもたちません。
無責任に取り囲むだけならいいのですが騒いだり写真をとったりなど迷惑行為に及ぶこともあります。
場所によっては大勢の人が集まるだけで周囲に迷惑をかけることもあることから「野次馬」は厄介な存在だと認識されています。
「野次馬」の使い方
・『事件現場の周りに野次馬が大勢集まっている』
・『野次馬の整理に人手をとられてしまい作業がはかどらない』
・『野次馬が集まりすぎて危険なのでイベントが中止になってしまった』
・『火災現場に野次馬が近づきすぎると危険だ』
「見物客」とは?
「見物客」とは、「物事が行われている様子を影響を与えない場所で見ている人」を意味する言葉です。
「見物客」という言葉は一般的に「ショーやパフォーマンスなど披露するために行われている物事を見ている人」を意味します。
イベントとして開催されている場合は入園料や観覧料などを支払いますが自然の風景などお金を払わず無料で見ている人に対しても「見物客」という表現が使われます。
「見物客」は「集中しおとなしく見ている人」という意味で使われます。
見ている最中に騒いだりわめいたりすることがなく周囲に影響を与えないのが「見物客」です。
中にはマナー違反をする人もいますが全体としてマナーが守られていてきちんとした態度で見ていれば「見物客」という表現に当てはまります。
「見物客」の使い方
・『満開の桜を目当てに公園に多くの見物客が訪れた』
・『一般公開されたパンダの人気により園内が見物客でいっぱいになった』
・『見物客の前でダンスを披露する』
・『ストリートパフォーマーはどうやって見物客を集めるかに頭を悩ませる』
「野次馬」と「見物客」の違い
「野次馬」と「見物客」の違いは「態度」です。
どちらも出来事などを見るために集まる人々を指しますが「野次馬」が騒いだり好き勝手に行動したりなど無責任な態度であるのに対し「見物客」は集中し恥ずかしくない態度で見ているという違いがあります。
「野次馬」という表現は大勢の人が集まった時のみ使える表現ですが「見物客」は少数でも使えるところにも違いがあります。
まとめ
「野次馬」と「見物客」は同じ見ることを目的に集まった人々を指す言葉でも意味は大きく違います。
迷惑をかけているかどうかで区別されるのでなにかを見るときは周囲に迷惑をかけないようにしましょう。