この記事では、「あの世」という言葉の意味や類語などについて分かりやすく説明していきます。
「あの世」という言葉の意味
「漢字の十を3つ合わせた」象形から成り立つ「世」という語は、その形から「三十年」を表し、そこから「長い時間の流れ」という意味合いの「世」という漢字が誕生しました。
代名詞である「あれ」が指し示す範囲の事柄を修飾する「あの」という語と、「世」を組み合わせた「あの世」という言葉は、仏教でいう「彼岸(ひがん)=向こう岸」という意味合いで用いられる語で、極楽浄土や地獄などを表しています。
「あの世」という言葉の1つ目の意味は、「死んだ後に行く世界」です。
2つ目は「冥途(めいど)」や「来世(らいせ)」などと同じ意味で使われています。
「あの世」の類語や言い換え
「あの世」という言葉の類語や言い換えは以下の通りです。
・『浄土(じょうど)』
仏教用語で「仏が暮らしている清らかな国」という意味の言葉で、仏さまや将来仏となる菩薩(ぼさつ)などが住んでいる清浄な国土を指して使われる文言です。
・『彼岸(ひがん)』
元々は仏教用語で使われていた「到彼岸(とうひがん)」を略した言葉で、「人間の迷いや苦しみなどの源となっている煩悩のない世界」や「極楽浄土(ごくらくじょうど)」などを表す言葉です。
・『霊界(れいかい)』
「死後に行くとされている世界」や「霊魂の世界」などを表す言葉で、人が死後に霊となって行き着くとされる世界を指しています。
・『黄泉(よみ)』
元々は古代中国で使われ始め、その後日本神話や聖書などにおける死者の世界を指すようになった言葉で、「人の死後、魂が行き着くとされる場所」を表しています。
「あの世」の類義語
「あの世」の類義語は以下の通りになります。
・『ユートピア』
「どこにもないところ」を意味するラテン語の「utopia」から派生した言葉で、「理想郷(りそうきょう)」や「理想の世界」などを表す意味合いで用いられる表現になります。
・『鬼籍に入る(きせきにいる)』
人が死んだ後に死者の帳簿である鬼籍に名前を記入されるところから使われ始めた言葉で、「死亡する」や「亡くなる」などと言う意味で用いられる文言です。
「きせきにはいる」という読み仮名は誤用になりますので、注意が必要になります。
・『三途(さんず)の川』
仏教用語で、「人が死んだ後、あの世へ行くまでに渡らなければならない川」を意味する言葉で、元々「三途」とは、仏典に由来する「餓鬼道」「畜生道」「地獄道」の3つの道を示す言葉として使われていました。
・『草葉の陰(くさばのかげ)』
文字どおり「草の葉っぱの下」を表す言葉でしたが、転じて「お墓の下」や「あの世」などを示す文言して使われています。
まとめ
今回は「あの世」という言葉について紹介しました。
「あの世」という言葉の本来の意味や類語などをよく理解して、日常的に使いこなせるようにしましょう。