この記事では、「まし」と「まほし」の違いを分かりやすく説明していきます。
「まし」とは?
「まし」という古語は、「反実仮想(現実の出来事とは異なる仮定)・ためらいの意志・推量」の意味合いを持っている助動詞です。
「まし」は動詞・形容詞の未然形に接続する助動詞であり、「どこにか行かまし(どこに行けば良いのだろうか・ためらいの意志)」のような文章で使われています。
「まし」を反実仮想の意味で使用する場合には、「〜ましかば〜まし、〜ませば〜まし」のようなかたちで使うことができます。
「まほし」とは?
「まほし」という古語は、「希望(〜したい・〜してほしい)」の意味合いを持っている助動詞です。
「まほし」も「まし」と同じく動詞・形容詞の未然形につながる助動詞になっていて、「知らまほし(知ってほしい・希望)」や「見に行かまほし(見に行きたい)」のような文章で使用することができます。
「まし」と「まほし」の違い
「まし」と「まほし」の意味の違いを、分かりやすく解説します。
「まし」と「まほし」の違いは、古語としての活用と意味にあります。
「まし」は「未然・連用・終止・連体・已然・命令」の順番で、「ましか(ませ)・○・まし・まし・ましか・○」と変化する特殊型の助動詞です。
一方で、「まほし」のほうは「まほしく・まほしく・まほし・まほしき・まほしけれ・○」と変化する形容詞のシク活用をする助動詞になっている違いがあります。
また「まし」と「まほし」の意味の違いは、「まし」には「反実仮想・ためらいの意志・推量」の3つの意味があるが、「まほし」には「希望」の1つの意味しかないということです。
「まし」の例文
・『反実仮想の“まし”は“ましかば〜まし”のかたちで、「もし〜ならば〜だろう」という意味を表現することができます』
・『「何をか書かまし」のような“まし”のためらいの意志の用法は現代文ではあまり馴染みのないものです』
「まほし」の例文
・『“まほし”の希望の意味は“まし”と比較すればシンプルで分かりやすいものです』
・『「おのが行かまほしき所へいぬ」のように“まほし”の連体形は名詞につながります』
まとめ
この記事では、「まし」と「まほし」の意味の違いを詳しく解説しましたがいかがでしたか「まし」と「まほし」の意味の違いや例文を調べたいときはチェックしてください。