この記事では、「事態」と「事象」の違いを分かりやすく説明していきます。
「事態」とは?
事態は「じたい」と読みます。
ある問題が起こった時の状況、ありさまを示しています。
事の顛末、いつもと違う状況、非日常の様子を伝えているのが事態といえるでしょう。
もともと事態の「事」は事件、事変、有事など、いつもと違う様子をあらわす漢字です。
そのため「まさかの事態」や「緊急事態」そして「異常事態」「非常事態」のように、切迫した表現とセットにして用います。
いつもと違う、緊急時に使うのが「事態」といえるでしょう。
「事象」とは?
事象は「じしょう」と読みます。
出来事をあらわす言葉です。
ブラウザーのエラー、アプリの不具合のように、システムやサービスにトラブルが起きる時も「事象」は使われています。
また「大自然の事象」や「宇宙の事象」というように、私たちの手が及ばない自然界や宇宙の現象についても「事象」と呼ぶことがあります。
「象」には形や姿という意味があるので、ある出来事のこと、ある事実のことを「事象」と呼んでいます。
「事態」と「事象」の違い
「事態」と「事象」の違いを、分かりやすく解説します。
どちらも「事」という表現が含まれています。
事態も事象も突然起きること、という共通の意味があります。
予想していなかったことが起きるのが事態と事象です。
事態と事象は非常によく似ていますが「事象」は数学の世界でも使われている言葉。
統計学を学ぶ時に、積事象と和事象を使うことがあります。
ニュアンスの差を学んでおきましょう。
「事態」の例文
・『不測の事態が起きたら、すぐに電話をください』
・『事態が早く収拾するように、緊急体制が敷かれました』
「事象」の例文
・『こちらのスマホで、下記のような事象が報告されています』
・『数学の授業で、サイコロを用いた事象を調べました』
まとめ
「事態」と「事象」の違いを解説しました。
似ている用語の差を学んで、語彙力を上げていきましょう。