この記事では、「輻輳」と「錯綜」の違いを分かりやすく説明していきます。
「輻輳」とは?
「輻輳」とは何かが一箇所に集まって混雑していることです。
人や車のような物が集中して混雑する様子を指したり、ITの分野では通信がネット回線の一部にだけ集中して回線速度が低下することを指し、仕事が特定の人や部署にだけ集中して立て込んでいることを指して使うこともあります。
物質的なものかどうかを問わずに何かが集まりすぎていてスムーズな処理ができないことが「輻輳」です。
「錯綜」とは?
「錯綜」とは様々な物事が絡み合って複雑になっていることです。
何かを解決しようにも他の物事が関係してきて、解決に進めようにもあれこれと手を広げる必要があったりどう手を付ければいいかわからないというような、一筋縄では行かないような状況を指します。
物事の関係が絡み合って入り組んでしまうせいで混乱を招き、間違った解決方法が取られてしまうことも珍しくありません。
「輻輳」と「錯綜」の違い
「輻輳」と「錯綜」の違いを、分かりやすく解説します。
何かが集まってスムーズに処理できなくなっていることが「輻輳」で、物事が絡み合って混乱を招くことが「錯綜」です。
「輻輳」は単純に処理を続けていけば解決できますが、「錯綜」は単純な処理が難しいあるいは不可能になっています。
「輻輳」の場合それぞれの物事は関係しあっていませんが、「錯綜」の場合はそれぞれの物事がなんらかの形で関わっているせいで複雑な状況です。
「輻輳」の例文
・『交通機関が輻輳して帰宅難民が大勢いる』
・『サーバーとの通信が輻輳して反応がない』
「錯綜」の例文
・『情報が錯綜して何が真実かわからない』
・『考えが錯綜して思考がまとまらない』
まとめ
「輻輳」は何かが集まってスムーズな処理を妨げているけれど入り混じってはいないから単純な処理ができる、「錯綜」は様々な物事が入り混じっているせいで単純な処理ができず混乱を招くというのが両者の違いです。
違いがわかりにくいかも知れませんが、「輻輳」は何かが集まりすぎて順番待ちなようなもの、「錯綜」はコードが塊のように絡まってて解けないようなものと例えると想像しやすいでしょう。