「吐く」と「もどす」は類似する意味を持つ言葉ですが、全く異なる意味も持っている言葉です。
この記事では、「吐く」と「もどす」の違いを分かりやすく説明していきます。
「吐く」とは?
「吐く」は「はく」と読む言葉で、「肺や胃の中のものを外に出す」や「口の中に入ったものを外に出す」といった意味があります。
また、「心で思っていることを言葉に出す」や「他人に知られたくない事柄を打ち明ける」などの意味も含んでいます。
「もどす」とは?
「もどす」は、「もとの状態や場所などに返す」または「解凍などをして加工前の状態にする」「反対の方向に返す」ことを意味します。
そのほか、「飲食したものを胃から吐き出す」という意味で用いられる場合もあります。
「吐く」と「もどす」の違い
「吐く」も「もどす」も「胃の中のものを外に出す」「嘔吐する」という意味合いを持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「吐く」は上記以外に、「肺の中のものを外に出す」「唾など口の中のものを外に出す」ことを意味するほか、「心中を言葉に出す」や「知られたくない思いなどを打ち明ける」といった意味でも使われます。
一方、「もどす」は「飲食したものを吐き出す」に加えて、「もとの状態や場所などに返す」「加工前の状態にする」「逆方向に返す」などの意味も持ち合わせています。
「吐く」の例文
「吐く」は「〜を吐く」のように使用されます。
複数の意味を持つ言葉なので、どの意味合いで用いられているか文脈をみて判断しましょう。
・『体調が悪く、食べたものを吐いてしまった』
・『緊張感を和らげるために息を深く吐く』
・『噛んでいたガムを吐く』
・『どんな時でも頑張る友人が珍しく弱音を吐いた』
「もどす」の例文
「もどす」は「〜をもどす」「〜にもどす」「〜でもどす」のように用います。
こちらも複数の意味合いがあるため、使用の際は注意しましょう。
・『泥酔して食べ物をもどしてしまった』
・『資料をキャビネットにもどす』
・『キクラゲをぬるま湯でもどす』
・『時計を5分もどす』
まとめ
「吐く」は「肺や胃の中のものを外に出す」「口の中に入ったものを外に出す」「心で思っていることを言葉に出す」「他人に知られたくない事柄を打ち明ける」ことを示し、「もどす」は「もとの状態や場所などに返す」「加工前の状態にする」「反対方向に返す」「飲食したものを胃から吐き出す」ことを示します。
両者共に複数の意味を持ちますので、状況に合わせて使い分けてください。