この記事では、「絞り」と「搾り」の違いを分かりやすく説明していきます。
「絞り」とは?
「絞り」は「しぼり」と読み、いくつかの意味があります。
光学用語で、カメラや望遠鏡などの光学機器のレンズ付近にある装置を指します。
「絞り」は光が通過する入口(穴)を広くしたり狭くしたりすることで、取り込む光の量を調節します。
次に、「絞り」は染物の種類「絞り染め」を略した言い方を表します。
「絞り染め」は布の一部を糸でしばったり折ったりして染色する模様染めです。
「タイダイ」や日本の「京鹿の子絞り」「白根絞り」「豊後絞り」など、さまざまな種類があります。
また、花や葉などにまだら模様が見られることを「絞りが入る」といいます。
なお、漢字の「絞」にはひねったり締めたりして圧力をかけるという意味があり、物をひねって強い圧力をかける行為を「絞る」といいます。
「絞り」は動詞「絞る」の連用形で、一般に「絞るもの」「絞ったもの」という意味を持ちます。
「搾り」とは?
「搾り」は「しぼり」と読み、圧力をかけて搾(しぼ)ることを意味します。
漢字の「搾」は、強い圧力をかけて汁をしぼり出すことを意味しており、強く推す、押しつぶす、などして物に含まれている液体を抽出する行為を「搾る」といいます。
「搾り」は動詞「搾る」の連用形にあたり、「一番搾り」「フルーツ搾り器」のように他の品詞と接続して用います。
「絞り」と「搾り」の違い
「絞り」と「搾り」の違いを、分かりやすく解説します。
これらはどちらも「しぼり」と読み、物に圧力をかける行為に関連している点が共通しています。
漢字の意味を比べてみると「絞」は物をひねったり締めたりする行為、「搾」は物に圧力をかけて汁を抽出する行為を表しており、ニュアンスが違っています。
実際に使われている「絞り」には、光学機器のレンズ付近にある光を取り込む量を調節する装置、あるいは花や葉のまだら模様、または染め模様の名前があります。
そして「搾り」は押しつぶすなどして汁をしぼり出すことを指します。
「絞り」の例文
・『夜景をきれいに撮るために、カメラの絞りを調整する』
・『有松絞りは名古屋で受け継がれている伝統工芸だ』
「搾り」の例文
・『レモン搾り器に切ったレモンを押し付けると、フレッシュな果汁があふれ出る』
・『ヤギの乳搾りは難しいが、慣れてくると楽しい』
まとめ
「絞り」と「搾り」は同音異語で混同されがちですが、互いに意味は違います。
漢字で表す時には「絞」と「搾」を間違えないようにしましょう。