この記事では、「一酸化二水素」と「水」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一酸化二水素」とは?
「一酸化二水素」【いっさんかにすいそ】は、化合物を命名する規則に従って「水」の呼び方をジョーク的に言い換えたものです。
一酸化は酸素(O)の原子1個がほかの原子と結合していること、二水素は水素(H)の原子が2個あることを意味しており、化学式で表すとH2O、つまり「水」と同じです。
これは、1980年代にエイプリルフールのネタとして公開されたことがきっかけで、ジョークとして揶揄的な使われ方がされるようになったものです。
英語では”dihydrogen monoxide”と表記し、これを日本語読みするとジハイドロゲンモノオキサイドとなります。
水の性質を化学的な技術用語を用いて説明し、「やけどの原因になる」「酸性雨をもたらす」「ジャンクフードに添加されている」など危険をあおるようなニュアンスで表現され話題になりました。
使用は推奨されていませんが「よく知っている物質も、呼び方や視点を変えただけで受ける印象が大きく変わる」という実験的な企画に用いられることがあります。
「水」とは?
「水」【みず】は、生物の生命を維持するために欠かせない、酸素と水素から構成される物質です。
化学式ではH20、英語では“water”と表記します。
生命体が存在する惑星に存在する無色透明の物質で、気体、液体、固体と形状が変わるのが特徴です。
また、広義にはH20そのものを指しますが、凍結したものは「氷」、気体化したものは「水蒸気」、温水を「湯」と呼び、常温の液体を「水」と呼び分けます。
動物や植物など生物は、組織の大半が「水」で構成され、組織細胞を満たし代謝に使われることで生命を維持しています。
自然界では雲や雨の元となり、それによって海や川、湖などが作られ、地球上に豊かな恵みをもたらします。
一方で洪水や氾濫、水難事故など脅威をもたらす存在でもあります。
「一酸化二水素」と「水」の違い
「一酸化二水素」と「水」の違いを分かりやすく解説します。
これらはどちらもH20(water)の別の呼び方にあたり、同じ物質を表しています。
「一酸化二水素」は実際に通用している名称ではなく、酸素の原子1個と水素の原子2個で構成されることを表したジョーク的な呼び方です。
「水」は、H20(water)の日本語での呼び方で通用しています。
「一酸化二水素」は、誰もがよく知る「水」も科学的に表現すると大きく印象が変わることを伝える意味で公開されたものです。
通常は、正式な名称の「水」「H20」「water」を使う必要があります。
まとめ
「一酸化二水素」はジョークとして考え出された「水」の呼び方です。
誤解を招くとして使用が規制されることもあり、原則としては「水」「H20」などの正式な名称を使います。