この記事では、「畑作」と「畠作」の違いを分かりやすく説明していきます。
「畑作」とは?
「畑作」【はたさく】とは、農地で作物を栽培すること、あるいは、それによって生産された作物のことです。
漢字の「畑」は、土を耕して作物を栽培する土地のうち水田ではない場所、いわゆる「はたけ」を表します。
また、漢字の「作」は物をつくること、耕すことを意味しています。
つまり、これらを組み合わせた「畑作」は字が表す通り「畑を作る」ことを指しており、水田以外のはたけで作物を栽培することを表しています。
水田で米を作ることを「稲作」【いなさく】と呼ぶのに対し、水を張らず土を耕して野菜、果物、豆、穀物などを育てることを一般に「畑作」と呼んでいます。
「畠作」とは?
「畠作」【はたさく】は「畑作」【はたさく】とほぼ同じ意味を持ち、農地で作物を栽培すること、あるいは、それによって生産された作物を指します。
漢字の「畠」は「畑」と同じく作物を栽培する土地を意味しますが、乾いた白い田、すなわち田んぼを含めた農地を表しています。
「畠」は「畑」よりも先に使われ始めた漢字で、現代は「畠作」という言葉はあまり使わなくなりました。
ただし、昔の農業に関する歴史は「畠作史」と呼ばれています。
「畑作」と「畠作」の違い
「畑作」と「畠作」の違いを分かりやすく解説します。
これらはどちらも「はたさく」と読み、農地で作物を栽培することを意味します。
「畑」と「畠」はほぼ同じ意味を持ちますが、漢字の成り立ちが異なるために微妙なニュアンスの違いが生まれています。
「畑」は火と田を組み合わせた漢字で、焼き畑(焼き払った土地で作物を栽培する農法)によって作物を作っていた農地を表しています。
「畠」は白と田を組み合わせた漢字で、張っていた水が乾いて土が白く見える農地、すなわち水田を意味します。
つまり、「畑」は水田以外の農地、「畠」は水田を含む農地を表しており、「畑作」は水田以外の畑で作物を栽培すること、「畠作」は水田や畑で作物を栽培することを表していることが考えられるのです。
ただし、明確な違いはなく、現代は「畑作」を表記することが一般的になっています。
「畑作」の例文
・『肥沃な土地は畑作に適している』
・『親子三代で野菜や麦の畑作を営んでいる』
「畠作」の例文
・『この地域は、古くから畠作が盛んに行われていた』
・『畠作史をひもとくことで古代の農業が学べる』
まとめ
「畑作」と「畠作」はほぼ同じ意味を持ちますが、漢字の成り立ちに違いがあり、ニュアンスに違いが生じています。
ただ、「畠作」はあまり使われず「畑作」を充てることが一般的になっています。