この記事では、「退職願」と「辞表」の違いを分かりやすく説明していきます。
「退職願」とは?
「退職願」【たいしょくねがい】は、民間企業に雇用されている社員が雇用主に対して退職したい意志を伝える手続きです。
または、その旨を記入する書類を指します。
これは、役職に就いていない社員が退職を希望する場合、「退職届」【たいしょくとどけ】を提出する前に企業へ提出するものです。
「退職願」には、会社から解雇されるのではなく自己都合によって雇用が解除されることを証明する役割があります。
また、「退職願」で退職が確定するのではなく、「退職届」を提出、受理されることで正式に退職することが認められます。
「退職願」は退職希望日の2週間以上前に提出するのが原則で、社員は退職希望日の1〜3か月前に直属の上司に退職について相談した上で「退職願」を提出し、退職に向けて業務の引継ぎや有休の消化などを行います。
退職の手続きに関する規約は企業によっても異なりますが、円満に退職するため余裕をもって準備をすることが大切です。
「辞表」とは?
「辞表」【じひょう】とは、公務員、民間企業で役職に就いている者が辞任や辞職をする際に提出する書類です。
これは、公務員、民間企業の社長や役員が任命されている役職から退くことを申し出るための書類で、自己都合で辞任や辞職を希望する際に提出します。
役職を下りて一般社員として業務にあたる場合も「辞表」で手続きを行います。
書式は民間企業の役職に就いていない社員が提出する「退職願」「退職届」と基本的に同じものになりますが、公務員や民間企業の役員は「退職願(届)」による手続きは行いません。
「退職願」と「辞表」の違い
「退職願」と「辞表」の違いを分かりやすく解説します。
これらは共に退職や辞任をする際に職場へ届け出るものであり、違いが分かりにくいために混同されがちです。
ひと言で違いを挙げると「辞表」は公務員、または民間企業で役職に就いている者が提出するもの、「退職願」はそれ以外の者が提出するものになります。
「辞表」は、国や自治体、民間企業から役職に任命されている者がその任務を辞する際に届け出るものです。
民間企業の一般社員はそのような役職に就いていないので「辞表」は関係ありません。
退職する際は「退職願」「退職届」を企業の規約に従って提出する必要があります。
「退職願」の例文
・『退職願を提出したが、なかなか受理してもらえない』
・『退職願の書き方が分からない場合は、インターネットで調べるとよい』
「辞表」の例文
・『父は取締役を辞任するため辞表を会社へ提出した』
・『ドラマで一般社員が上司に辞表を突き付けるシーンは正しくない』
まとめ
「退職願」と「辞表」、「退職届」は似ているので互いに混同されがちですが、互いにはっきりした違いがあります。
仕事を辞める際は、自身はどの書類を選択すればよいのか正確に把握しておく必要があります。