この記事では、「陶器」と「磁器」の違いを分かりやすく説明していきます。
「陶器」とは?
「陶器」は、カオリン石と呼ばれるケイ酸塩鉱物が多く含まれた粘土を焼いて作られます。
日本では瀬戸焼や伊賀焼が有名で、特徴として比較的厚いものが多く、吸水性があり、叩くとコツコツという低い音がするものがほとんどです。
先の瀬戸焼が有名なことから、一般には「瀬戸物」(せともの)と称されることも多く、その言葉で呼ばれる対象は、この「陶器」だと考えていいでしょう。
厳密には「瀬戸焼」ではない「伊賀焼」であっても、総称としてこの「瀬戸物」と呼んでいることがあります。
「磁器」とは?
この「磁器」にも、原料としてカオリン石を使用しますが、こちらは石英や長石、石灰の方含有量の方が多く、「陶器」より高い温度(1300度前後、陶器は1100~1200度)で焼き上げるという違いがあり、完成したもののは叩くと高い音がするので、そこで区別が付きます。
「陶器」より硬質で、吸水性がない所も違いになり、その「陶器」は手で造形することが多いのに対し、こちらは道具や機械を使った凝った作りのものもよく見掛けます。
使われる原料から硬質なので、そのような加工にはこちらの方が向いています。
「陶器」と「磁器」の違い
「陶器」と「磁器」の違いを、分かりやすく解説します。
これらはまとめて「陶磁器」と表現されることも多く、実は「陶器」と「磁器」の厳密な切り分けや区分は存在しません。
共に原料に使われているカオリン石は、そのほとんどが中国で採れることから、海外ではこの「陶磁器」と一緒にまとめて“china”と呼んでいることがあります。
よって、「陶磁器」の中で手作りのものが多く、比較的軟質で、叩くと低い音がするものが「陶器」、逆に硬質で、高い音がするものが「磁器」だと覚えておけばいいでしょう。
まとめ
「陶器」と「磁器」には、このような違いがあります。
バラの花など、凝った作りのものは「磁器」だと考えて間違いありません。