「活動制限」と「参加制約」は人間の生活機能を分類する「ICF」で用いられている区分です。
この2つはそれぞれどのような状態を指し、何を基準に区別すればいいのでしょうか。
この記事では、「活動制限」と「参加制約」の違いを分かりやすく説明していきます。
「活動制限」とは?
「活動制限」とは、「障害により生じる自由な活動の制限」を意味する言葉です。
ICF(国際生活機能分類)では人間の健康状態や社会制度を基準にして生活のしやすさを分類します。
「活動制限」は「障害によって個人の活動がどのように制限されるのか」を表す基準です。
関節を怪我したせいでうまく歩けない、視覚障害によって学習が制限されるといった障害による動作や行為の制限を「活動制限」として程度により分類します。
「参加制約」とは?
「参加制約」とは、「障害によって生じる社会活動参加への制限」を意味する言葉です。
障害を抱えている人は障害のない人に比べて社会活動への参加が困難です。
身体機能障害で学校に通いにくかったり視覚障害でスポーツ観戦や美術鑑賞といった活動を楽しめなかったりなど、障害が理由で社会に参加しにくい現実が存在します。
そのような社会参加へ制約を程度や内容に応じてで分類するものが「参加制約」です。
「活動制限」と「参加制約」の違い
「活動制限」と「参加制約」の違いを、分かりやすく解説します。
「活動制限」と「参加制約」の違いは「個人か社会か」です。
歩きにくさなど障害による個人的な制限が「活動制限」なのに対し、自由に学べないなど障害による社会活動の制約が「参加制約」という基準の違いで区別されます。
「活動制限」の例文
・『階段は車椅子利用者にとって活動制限になる』
・『活動制限が少ないほど障害者にとって自由な環境になる』
「参加制約」の例文
・『字幕のない映画は聴覚障害者にとって参加制約になる』
・『サポート教員は学習障害を抱える人たちの参加制約を解消する取り組みだ』
まとめ
「活動制限」と「参加制約」の違いは分類の基準さえ理解すれば難しくありません。
基準を理解し正しく区別してください。