「敷衍」と「演繹」は類似した意味を連想させる混同しやすい二つの用語ですが、「敷衍」と「演繹」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「敷衍」と「演繹」の違いを分かりやすく説明していきます。
「敷衍」とは?
「敷衍(ふえん)」という言葉は、「意味・解釈・道理を押し広げて詳しく述べること」や「例を上げて詳しく説明すること」、「物理的に押し広げること」を意味しています。
「敷衍」という表現は、「個人的な思想を世の中全体に敷衍すると矛盾も多くなります」といった例文で使用することが可能です。
「演繹」とは?
「演繹(えんえき)」という表現は、「一般的な理論・法則から個別的な事例(特殊的な事柄)を推論すること」や「意味・理論を押し広げて詳しく述べること」を意味しています。
「演繹」というのは、論理学・数学の分野で「演繹法(帰納法の対義語)」の意味合いで使う頻度の多い言葉になっています。
「演繹」という言葉は、「この法則を演繹して個別の問題を解いてください」といった文章で使うことができます。
「敷衍」と「演繹」の違い!
「敷衍」と「演繹」の違いを、分かりやすく解説します。
「敷衍」という言葉にも「演繹」という言葉にも、「意味・道理を押し広げてより詳細に説明すること」の意味合いがありますが、「演繹」には論理学・数学などの分野で使われる特殊な意味があります。
論理学・哲学の分野で「演繹」という言葉を使用する時には、「帰納(きのう)の対義語」としての意味を持っているという「敷衍」との違いがあるのです。
「演繹」というのは、「一般的な理論・法則から個別の事例・物事を推論(推定)すること」という「敷衍」にはない論理学的な意味合いがあります。
「押し広げて考えたり説明したりする」という意味では、一般的に「演繹」よりも「敷衍」という言葉のほうが使われやすいという違いも指摘できます。
まとめ
「敷衍」と「演繹」の意味の違いを詳しく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「敷衍」という言葉は、「意味・解釈を押し広げて詳しく説明すること」を意味しています。
それに対して、「演繹」というのは「一般的な理論・法則から個別(特殊)な事例を推論すること」の意味合いを持っています。
「敷衍」と「演繹」の違いを詳しく調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。