「指導」と「勧告」は類似した意味を連想させる混同しやすい言葉ですが、「指導」と「勧告」の意味・使い方の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「指導」と「勧告」の違いを詳しく解説します。
「指導」の意味や使い方
「指導(しどう)」という表現は、「教育行為や上下関係(信頼関係)などを通じて、ある意図された方向・目的へと教えて導くこと」や「柔道で選手が軽い禁止事項を犯した時に審判員から受ける減点の宣告」を意味しています。
「指導」の使い方は、「生徒の校則違反を指摘して指導しました」のように、「ある目的や方向に向けて教えて導く場合」に使うという使い方になります。
「勧告」の意味や使い方
「勧告(かんこく)」という表現は、「ある行動をするようにと説得して強く勧めること」を意味しています。
「勧告」には、「法的な強制力まではない私人に対する行政指導の一手段」や「半ば強制力がある行政機関の参考意見(私人だけでなく人事院勧告など行政機関に対しても出される参考意見)」という意味合いもあります。
「勧告」の使い方は、「会社は停職を勧告しました」や「監督官庁から勧告を受けました」のように、「ある行動をするように告げて強く勧める場合」や「半強制的な行政機関の参考意見を示す場合」に使うことができます。
「指導」と「勧告」の違い
「指導」と「勧告」の意味の違いを分かりやすく説明します。
「指導」というのは、「教育活動・上下関係などを通して、ある意図された方向・目的に教えて導くこと」を意味しています。
それに対して、「勧告」というのは「ある行動を取るようにと知らせて強く勧めること」や「法的な強制力まではない私人に対する行政指導の一種(明文化されていないが半ば強制力はあるもの)」を意味している違いがあります。
「指導」という表現は、「教師(先生)・先輩・上司・親などの目上の人が、ある意図や目的を持って教えて導くこと」に意味の重点があります。
一方で「勧告」という表現は、「一定の権限・権力を持っている相手が、ある行動をするように強く勧めること(場合によっては行政指導・行政の参考意見のように一定の強制力がある)」に意味の重点がある違いを指摘できます。
「指導」を使った例文と意味を解釈
「指導」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「サッカー部のコーチの指導のおかげで、PKにおけるシュートの成功率が格段に高まりました」
この「指導」を使った例文は、「指導」の表現を、「サッカー部のコーチが(PKでのシュートの打ち方について)教えて導いてくれたおかげで」という意味合いで使っています。
「勧告」を使った例文と意味を解釈
「勧告」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「会社の上層部から、今回の不祥事については外部に決して漏らさないようにという勧告を受けました」
この「勧告」を使った例文は、「勧告」の表現を、「(上層部から)外部に決して漏らさないようにと説かれて勧められました」という意味を持つ文章で使っています。
まとめ
「指導」と「勧告」の意味の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「指導」というのは、「教育活動などを通して、ある意図された方向に教えて導くこと」を意味しています。
それに対して、「勧告」という表現には「ある行動をするように説得して勧めること」や「法的な強制力まではない私人に対する行政指導の一種」の意味があります。
「指導」と「勧告」の意味の違いを知りたい時には、この記事の説明を確認してみてください。