「根拠」と「依拠」はどちらも「何かをよりどころにする」際に使用する言葉ですが、細かな意味合いが異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「根拠」と「依拠」の違いを分かりやすく説明していきます。
「根拠」とは?
「根拠」は「こんきょ」と読む言葉で、「物事が存在する理由もしくは証明となるもの」や「物事のよりどころ」といった意味を持ちます。
「根」の字には「根本」や「土台」などの意味があり、「拠」には「足場」や「よりどころ」といった意味があります。
上記のほか、「本拠地」という意味で使用される場合もあります。
「依拠」とは?
「依拠」は「いきょ」と読む言葉で、「特定のものに基づくこと」や「よりどころにすること」といった意味を持ち合わせています。
「依」の文字には「頼りにする」や「基づく」などの意味が含まれており、「拠」は上記でも触れた通り「足場」や「よりどころ」という意味があります。
「根拠」と「依拠」の違い
「根拠」と「依拠」は双方とも「ある物事のよりどころ」という意味を含みますが、詳細な意味合いに違いがあります。
「根拠」はどちらかというと「事実に基づくこと」や「エビデンス」という意味合いがあるのに対し、「依拠」は「法律」や「規則」、「前例」などに基づいた事柄を指すケースが多いといわれています。
「根拠」の例文
「根拠」は「物事がそこにある理由や証明となるもの」や「物事のよりどころ」を指し、主に事実に基づいた事柄を示す際に使用されます。
使い方の例として、「根拠がある」や「根拠を示す」などがあります。
・『博士の説は極めて斬新だったが、医学的な根拠があったので認めざるをえなかった』
・『彼の推理が正しいと断言できる根拠を示す必要がある』
・『根拠のない言い訳を繰り返すので彼のことは信用できない』
「依拠」の例文
「依拠」は「特定の物事に基づくこと」や「ある物事のよりどころとなるもの」を指し、主に法律や規則、何らかの基準や先例などに基づく事柄を表現する際に使用するといわれています。
日常的に用いられる機会はあまりなく、法律やビジネス分野などフォーマルな場面で使用されることが多い言葉といえるでしょう。
また、「根拠」は動詞で使用されることはありませんが、「依拠」の場合は「依拠する」や「依拠して」のように動詞として用いられるのが一般的です。
・『今回提出される法案は、3年前の判例に依拠して作成された』
・『解雇については、就業規則のどの規定に依拠するかなどを雇用主側が立証する必要がある』
・『この論文はX教授が提唱した説に依拠して執筆された』
まとめ
「根拠」と「依拠」は字面も読み方も似ていますが、それぞれが持つ意味合いに違いがあることが分かります。
両者の正しい意味や使い方を学んで、シチュエーションに応じて適切に使い分けましょう。
ぜひ言葉の豆知識として参考にしてください。