何かに夢中になっている時に、ちょっとした事で今までの情熱がまるでなかったことのように覚めてしまう事があります。
特に、自分の中のイメージが大きくなっている時にはその時のギャップも大きくなります。
このような事象を「幻滅」という事がありますが、この「幻滅」とはどういう意味でしょうか。
また、「減滅」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「幻滅」と「減滅」の違いを分かりやすく説明していきます。
「幻滅」とは?
「幻滅」とは、文字通り「幻想が滅する」ということであり、「本当のことを知ることによってがっかりする」という意味の言葉です。
この時の「幻想」とは、多くの場合は間違った情報や自分で勝手に作り上げたイメージがもとになっているので、「幻滅」自体も、その対象の責任ではないこともあります。
「減滅」とは?
「減滅」とは、言葉の意味としては「減少して行って無くなる」という意味になりますが、一般的には「幻滅」という言葉の誤用として使われる事が多い言葉です。
元来は単体で使用されることはほとんどなく、「減滅曲線」や「減滅指数」などの極めて特殊な熟語としてのみ使用されます。
したがって、一般的な辞書には載っていません。
「幻滅」と「減滅」の違い
「幻滅」と「減滅」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは「信じていた事が間違っている事が分かってがっかりする」という意味で使われる言葉であることは同じです。
しかし、根本的な事実として「減滅」という言葉が単体で使われることは無く、ネット記事などを中心に「幻滅」と同じ意味で使用されることは現時点においては誤用であると言えます。
しかし、多くのネット記事などではこの記述が多く見られ、検索エンジンでは同一に扱われることもあり、さらに一般的なコンピュータの日本語変換機能で「げんめつ」と入力すると「減滅」が最初に出てくることから考えれば今後は単純な誤用とも言えなくなる可能性があります。
「幻滅」の例文
「幻滅」の例文は以下のようになります。
・『彼女の本当の姿を知ってしまい幻滅しました』
・『人々に幻滅されないように毎日切磋琢磨して行きます』
「減滅」の例文
「減滅」の例文は以下のようになります。
・『船の横揺れに関する減滅係数を論文にしました』
・『減滅曲線とは減衰していってゼロになる曲線のことです』
まとめ
この記事では、「幻滅」と「減滅」の違いを、解説してきました。
同じ読みの熟語をある言葉の代替として使うということはよくあります。
これは同音同義語と呼ばれることもあり、賞賛と称賛などたくさんあります。
しかし、今回のケースのように無いものを有るものと認識するというのは多くはありません。
これは、以前のような口コミ中心の情報伝播ではなく、ネットに多くの情報が氾濫している状態においてコンピュータで文字を打ち込むということが一般的になっている状態に特殊な状況であると言えます。