「資産」と「資本」の関係について、詳しく説明していきます。
「資産」の意味や使い方
「資産」には、一般的な解釈と会社の構成上の用語として使う場合の2つの解釈があります。
一般的な意味としては、「所持している財産」のことで、家庭のそれなどと使うこともできる言葉です。
株の取引などを行っている人にはお馴染みの表現で、手持ちのポジションの現在の価値がこの言葉で表される専用サイトやソフトも多いです。
そのようなトレーダーの間では、「現在の資産はざっと100万か」などよく使われています。
会社で使う言葉としては、後述する「資本」にできるもの全てという扱いになります。
つまり、会社としての内部留保や金銭的な価値の付く全ての物が対象になり、これをあまり多く見せないことで節税に繋がることがあります。
そちらでは、「そろそろ資産公開の時期が近付いている」といったような使い方になります。
「資本」の意味や使い方
「資本」は、商売(ビジネス)を行う為の原資です。
買い付けたものを販売するという商売においては、その買い付けの為に遣えるお金のことになり、どのような商売であっても、まずこれが無いことには成り立ちません。
会社としての「資本金」という使い方もされる言葉で、そちらの場合はその会社がどれくらいの規模でビジネスを行っているのかの指針になります。
ただし、必ずしもそれに比例して大きな事業を行っているとは限らず、作ろうと思えば資本金が1万円でも会社は作れてしまうので、参考程度だと考えてください。
「資産」と「資本」の違い
会社で使われる言葉として考えた場合の「資産」は、その会社としての財産全てという意味になり、「資本」は、その中で実際に遣うことができる現金化されているものだと解釈していいでしょう。
先に「資産」を少なく見せると節税に繋がる場合があると書きましたが、その為によく利用されるのがリースというシステムです。
リースしているものは借りているという扱いになる為、資産には含まれないからです。
尚、上場会社と資本金が1億円以上の会社には年に一度の「資産公開」が義務付けられており、資本金だけでは分からないその会社の実際の台所事情をここで確認することができます。
「資産」を使った例文と意味を解釈
「資産」を使った例文と、その意味の解釈です。
会社としての使い方の例になります。
「資産は多い会社なんだけど、ほとんどが工場の設備なだけに転用が利かない」
会社の経営では、「資本」として遣う為に「資産」を崩すことも多いですが、工場の設備となると、いくら金銭的な価値があったとしても処分する訳にもいかず、「資本」への転用は難しいでしょう。
「資本」を使った例文と意味を解釈
こちらは「資本」を使った例文と、その意味の解釈です。
これが不足してしまうと、最悪は廃業ということになってしまいかねません。
「また仕入れの為の資本を借り入れないといけない」
商売(ビジネス)では借り入れがつきものだと言えますが、きちんと返済をしていたとしても、借りられる金額には限度というものがあります。
あまりにそれが膨らんでしまうと、もう借りることができなくなり、商売としても厳しくなってしまうのは言うまでもありません。
まとめ
「資産」のうち、実際に遣うことができるお金が「資本」だと覚えておきましょう。
この「資本」が尽きてしまうと、その商売やビジネスは成り立たなくなってしまいます。